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723 :名無しの紳士提督:2015/08/30(日) 02 12 31 ID JoLnJDN. 鎮守府慰安労働を書いていた者です 完全に迷走しているため、ひとまず速吸に手伝ってもらって一区切りつけます 微エロ?だと思います、本番はないのでその辺りはご注意を 一応、本編というか一番メインの世界線ということでお願いします 724 :鎮守府慰安労働 速吸編:2015/08/30(日) 02 13 02 ID JoLnJDN. 新たな特別侵攻作戦が終了してから数日が経った。 例のごとく、東が所属している鎮守府は全鎮守府中最速で作戦海域を突破している。 提督の戦場を見極める眼力と、異常なまでに高い艦娘たちの練度がそれを可能にしたのだ。 そこまで考えたところで、思わず東は照れ臭いような恥ずかしさを覚える。 「……間宮さんの補給が有限だからって、何で俺があんなことを」 「仕方ないじゃないですか。提督はそれが一番だと思ったわけですから」 「独り言を拾うのは感心しないぞ、明石」 「ふふ、工廠は私の庭ですゆえに」 独りごちた言葉を明石に拾われ、バツが悪そうに東は頭をかくしかなかった。 練度の高さ、提督の眼力だけでは前線を切り開くまでには至らない。 艦娘の繊維を高く保つのも侵攻作戦を成功させうる、一つの妙だった。 しかし間宮の補給は貴重であり、乱用できるものではないのも事実。 提督は補給源となりうる存在として、慰安夫“東”に目を付けた。 理由は調査中とのことだが、艦娘の戦意を高めるには東の存在は艦娘に不可欠である。 そう考えた提督は、戦意のために東を艦娘たちに貸し出す方法を思いついたのだ。 「特別侵攻作戦の時には誰しも忙しくなりますが、東さんはベクトル違いですしね」 「よしてくれ。色々と大変だったんだ」 「引く手あまたでしたからね。いや、モテる男は辛いですね~」 「明石!」 「冗談ですよ、冗談」 からかいながら明石は踵を返し、工廠の中へと戻っていく。 気恥ずかしいのも無理はない。 東は文字通り慰安夫のように、戦場に赴く艦娘たちと男と女の関係を繰り返していた。 全部が全部そうではないが、中には複数人を同時に相手にするケースもある。 街に出て遊ぶこともあったが、多くは“そういうこと”だったといえる。 ふと空を見上げれば星が顔を出している。 「帰るかな。明石ー、お前はいつまで工廠にいるんだー?」 「キリがついたら帰りまーす! お先にどうぞー!」 「それでキリよく帰ってきたことないが、まぁいいか」 それだけ言い残し、東は工廠を離れて自分の部屋へと戻っていく。 特別侵攻作戦に一役買ったということで、今では割り当てられた部屋も変わった。 以前は軽巡洋艦寮の近くだったが、今では重巡洋艦の寮の近くになっている。 部屋の内装もよくなり、ちょっとした軍の尉官にも匹敵するほど。 無論、提督が残してきた戦果による後押しも大きかった。 「東、今日はもうお休みかい?」 「あぁ、提督。お疲れ様です」 そこへ提督が通りかかった。 背丈だけなら軽巡洋艦の艦娘たちと変わらないくらいだが、提督としての能力は絶大。 提督と言う名を持つ者の中では一人として知らぬ者はいない。 しかしそんな面影はどこにもなく、駆逐艦が着るような可愛らしい寝巻に身を包んでいる。 欠伸まじりに歩いてくる姿からは疲れも感じられた。 「随分お疲れのようですね」 「まーねー。新人の子の部屋の手配で忙しかったからさ~」 「そういえばまだ部屋は用意できてないんでしたっけ」 「そーよ。速吸は羽黒がいないから、ひとまず妙高型の部屋で今夜はお休みさ。リペッチオは潜水艦娘の部屋、それで照月は秋月の部屋などなどってね」 「速吸は妙高型の部屋……ん?」 瞬間、東の脳裏にはつい先ほど見送った遠征部隊の姿がよみがえった。 今夜の遠征は東京急行、鼠輸送任務、通商破壊作戦の三方面へと向かっている。 通商破壊作戦に赴いた重巡洋艦は羽黒と妙高、足柄と那智しかいなかった。 悪寒にも似た嫌な予感が東の背筋に走り、同時にその足は妙高型の部屋に向かう。 足柄と那智が何か悪さをする、などとは東も考えていたわけではなかった。 ただ新人が来るというイベントがあれば、二人がそれを肴に酒を飲もうとすることも考えられる。 そうなれば同室の速吸が酒を回される可能性も決してないとは考えられない。 ましてや速吸はまだ来て間もなく、二人の誘いを断れるとは思えなかった。 重巡洋艦の寮に駆け入り、階段を上がって薄暗い廊下に差し掛かる。 そこで壁にもたれながら、うつむき加減に座っている速吸の姿が目に飛び込んできた。 「速吸!? 大丈夫か!」 「あ、東さん。どうしました、こんな時間に」 「それはこっちのセリフだ。大丈夫か? 酒飲まされたりしてないか?」 「大丈夫です。私は」 速吸がそこで言葉を切り、視線を後方に向けた意図を東は一瞬で読み取った。 私は、ということはおそらく既に足柄と那智辺りが酒盛りを始めているのだろう。 ほのかに漂ってくる酒気に、思わず呆れたような笑みもこぼれるというもの。 侵攻作戦が終わってからというもの、鎮守府全体がお祭り騒ぎである。 速吸だけではなく、時を同じくして参戦した艦娘たちも歓迎会に駆り出されていた。 中には自分たちが騒ぎたいだけのように思える者たちもいないわけではない。 「ふふふ、みなさんいい人たちですよ。毎晩のことですけど、楽しそうです」 「そうだな……ってあれ、もしかして声に出てたか?」 「顔がそう言ってます」 スカートを叩きながら立ち上がる速吸の言葉に、東も渋い顔をするしかない。 瞬間、速吸の視線がどこか控えめに見上げてくるのを東は感じた。 元々身長差がそうあるわけではないが、どこか遠慮がちな視線である。 何か頼み事でもあるのだろうか。 「何かあったか? 俺でよければ聞くぞ?」 「あ、いえ、私は別に、何にも……」 「遠慮するな。伊達に慰安夫してるわけじゃないんだぜ?」 「じゃ、じゃあ、その、ひとつだけ、その、ひとつだけ!」 目は口程に物を言うというが、速吸の顔はどんどん赤くなっていく。 そんな状態で言いたいことが分からないほど、東は鈍いわけではない。 ましてや慰安夫として働いていれば、そういうことだろうという察しはつく。 顔から火が出そうなほど真っ赤になり、ようやく速吸は口を開いた。 「東さん! あの、その、ちゅーってしたことありますか!?」 「……酒は飲まされていないが、変なことは吹き込まれたようだな」 「だ、だってちゅーですよ!? 男性と女性との、ちゅ、ちゅー!」 「おう、恥ずかしいのは分かったから連呼するんじゃない。な?」 慌てふためく速吸をなだめながら、東自身も抑えきれない感覚を覚えていた。 口にするのも恥ずかしい単語を口にしながら、顔を真っ赤にしている少女。 普段控えめにもかかわらず、距離がなくなりそうなほど詰め寄ってくる少女。 どこかしら新鮮さすら覚えてはいたが、そうも言っていられない。 二人がいる場所は重巡洋艦の寮の廊下のど真ん中だった。 それも最寄りの部屋は足柄がいる妙高型の部屋、おまけに酔っ払いが二人と来ている。 状況の悪さは折り紙付きで、このまま騒がせておくわけにはいかなかった。 「速吸。落ち着いて俺の話を聞け、というか頼むから落ち着いて聞いてくれ」 「聞きます! じゃあ聞きますから――」 「聞きますから、何だ?」 聞き返すが早いか、身を屈めた速吸が東の腕をすり抜けるようにしてもぐりこむ。 そして顔は真っ赤な顔で、今まで以上に恥ずかしそうな表情で身を跳ねあげながら言い放った。 「私とちゅー、してください」 「本当に酒は入ってないんだろうな?」 「入ってません! ちゅーしてくれたら、落ち着きますからぁ……」 「そんな目で見つめるんじゃない、全く」 切なげな声、縋り付くような視線を速吸に送られては東も無下には断れなかった。 こなれたように口にしている自分に、嫌気が差さずにはいられない。 例え仕事の積み重ねであったとしても、軽々しく行ってはいけない行為だと思っていた。 だが目の前で子犬のようにせがんでくる速吸を前にしては、そんな思いも無意味。 「一回だけだからな?」 「は、はい! じゃ、じゃあ! よろしくお願いします!」 速吸が満面の笑みを見せた瞬間、東は身体の自由が利かなくなったのを感じた。 同時に速吸の黒い瞳が覗きこめそうなほど顔が近付く。 身を引くことすら適わず、それどころか引き寄せられるのすら感じた。 正面から脇を抱きかかえられていることに気が付いたのは、その後のことである。 「東さん……」 「速吸。胸が当たってるんだが、その辺りは大丈夫か?」 「いいです、いいですから、はい、んっ……」 「お、おう」 重巡洋艦というほど大きくはなく、軽巡洋艦というほど小さくもない。 ただ今までにないジャージ越しに押し付けられるという、速吸だけの特徴的な感覚。 慰安夫として長く働いてきたものの、初めての感覚は戸惑いつつも心地良い。 抱きかかえられ、下がれないというマイナスな状態が扇情的に東を駆り立てていた。 慰安夫として鎮守府で働いてきた東は、今までに何人もの艦娘と関係を持っている。 どれも戦意高揚のためであり、事実、艦娘たちが上げてきた功績はかなりのものがあった。 好意を持って接してくれた者たちも多かったが、どこか戦意のためにという艦娘もゼロではない。 東としてもそういうものだと思っていたし、悪い事とは思ってもいなかった。 しかし今、目の前で唇を重ねている速吸はそのどちらにも分類できない。 「んっ、ふぁ、あずま、ひゃん、ひもひいい、れふぅ」 東を抱きかかえ、必死に唇を求めてくる速吸の姿は一生懸命の一言。 決して上手いわけではないのに、次々と唇を求める姿はなんとも愛らしい。 その姿に男として惹かれないわけがなく、東の一物は屹立しかけていた。 「さてと、一回って約束だったな。これで終わりだ」 「ふぇ? あ、そんなぁ、もう少し、もう少しだけお願いします」 「ダメだ。どうしてもっていうなら慰安夫としての俺に依頼するんだな」 「え、あ、う~……」 むくれたように声をこぼす速吸を背に、東は出来る限り余裕を振りまいてその場を去った。 否、もはや余裕など欠片ほどしかない。 声をこぼした速吸の唇がぬめり気を帯び、あやしく月明かりに映えていたのを東は見ていた。 あと数秒遅ければ求める側が逆転しかけていたかもしれないと考えると、やるせない気分になる。 しかし重巡洋艦の寮の廊下である以上、続けるにはあまりにもリスクが高すぎる。 東は自分の選択が間違っていないことを確信しながら、自分の部屋に戻るのだった。 729 :鎮守府慰安労働 速吸編:2015/08/30(日) 02 15 58 ID JoLnJDN. 以上です。 次の話で鎮守府慰安労働には一区切りつけます 散々迷走してしまったので、では
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「起きてください、提督……」 暗い意識の奥底から私を引っ張り出したのは、優しく物懐かしいその声と、その主による重みのものだった。 瞼を開けば、愛して止むことのない想い人、鳳翔さんが私に馬乗りになっていたのだ。 「ふふ、もう、提督ったら。 こんなに元気にしちゃって」 うっとりとした声色でそう呟きながら、生理現象でそそり立った男根を優しく撫でるようにさする。 その気持ちよさに心を奪われつつも、鳳翔さんにナニをしているのかと尋ねた。 「あら、おはようございます♪ 今日も朝から元気ですね」 柔らかに微笑むその笑顔はまさに天使のもの。今まで幾度も荒んだ心を、その笑顔が癒してくれた。 鳳翔さんは腰を折ると、そっと口づけてきて、私のかさついた唇を潤すように唾液を含ませながら舌で舐り、張りのあるぷるんぷるんな唇で貪るように食んでくるが、それでもどこか優しさが残っていた。 「ん、ちゅ……ふう、んん……ぢゅる、ちゅぅぅ……っ」 ちうちうと吸うように食いついていた唇がぷるんっと離れると、満足気な、恍惚とした表情でまた近づいてくる。 「すみません、もう、我慢なりません……」 まるでこれからすることをお許し下さいと、許しを乞うような声色で訴えてくる鳳翔さんが愛おしくて堪らなく、今度は私から唇を寄せた。 「は、っ……んん、ん、ちゅ、じゅるっ……む……ん、ふぁ……」 必死に鼻で息をしながら離すまいと唇を押し付け、片手で鳳翔さんの頭を抱いて寄せる。 空いている手では必死に気持ちよくなって欲しいと、乳房を擦り上げ乳首を親指の腹で捏ねくり、親指と人差し指で摘む。 乳首は優しく、触れているだけのような手つきで物足りなさがやっている自分でもわかる程度に。 すると鳳翔さんは乳房を弄っている手を掴むと、自らの秘所へと導いて、唇を離した。 「もう、提督のいぢわる……」 「なんの、こと?」 荒れた呼吸を落ち着かせるように、冷静に息を吐き出していると、とても悲しそうな顔をしてしまった。 どうしてそんな顔をするのか。胸が締め付けるように痛くて、逆に呼吸が荒くなってくる。 「もう、こんなに切なくなってるのに……わかっているんでしょう?」 中指がそこに触れると、指を伝って彼女のとろみのある愛液が垂れてくる感触が、手の甲をつたり、腕にまで垂れるのがわかる。 しとどに濡れそぼっていることを察すると、もういいです。そういうかのような拗ねた顔で手を離された。 鳳翔さんの手が私の胸板に乗せられ、少しそれが重くて苦しい。 そして、折っていた腰も戻すと視界から鳳翔さんが居なくなってしまい、とても寂しい。 「こっちで、愛して頂きますから……」 こっち、と言われそちらに目を向けようにも見慣れた天井しか瞳には映らない。 身体を起こして見ようと思ったときには、既に遅かった。 起こしかけた身体が、全身を駆け抜ける快感によって倒れた。 気持ちよさを感じた瞬間に後頭部に痛みを感じたが、そんなことも些細に感じるほど、股が、ペニスが熱い。 熱くて、きつくない、しかし確かに重量を感じる圧迫感、どんどん染み込んでいくようにずぶずぶと包み込まれていく充足感。 意識がそちらに向いていて夢中だったからか、気がついたら鳳翔さんは仰ぎ、感極まった溜息を零している。 「はぁ、ああ……あぁん……ん、ふぅ……」 やがてペニスの根元まで全てが肉壁に包み込まれると、ようやく鳳翔さんはこちらを向いてくれた。 「全て……入ってしまいました、ね……? うふふ……」 もう手遅れですね?と悪戯な眼差しをこちらに向けながら、布団と背中の間に手を差し込んでくる。 それを感じて身体を起こし、対面座位の姿勢になると、力を込めてかき抱いてきた。 負けじとこちらも抱き返し、ぎゅうう、っと抱き合う。 きっと鳳翔さんも私と同じなんだと思う。一番大事なところが繋がっても、まだ足りない。 むしろ、もっともっとと、渇望してしまう。触れ合えるところ全て触れたいと。 「じゅる、りゅ……ふ、ぁ……んむっぅ……!」 出来る限り肌を重ね合わせると、満足に身体を動かせない態勢でもお互いが気持ちよく感じたいと、腰を振り合う。 一番奥まで突き挿せるようにと、一番奥まで包み込めるようにと。 ただ、ひたすらに腰を振り、それでも唇も腕も放そうとしない。 ぬちゃっ、ずちゅっと、空気と液体だけが出すにしてはとても卑猥でいやらしい音を執務室に木霊させ、快感を共有しあう。 朝日が眩しいのも、鳳翔さんと触れているところ以外が少し肌寒いのも、なにも気にならない。 二人して同じところに感覚を集中して同じことを考えて同じことをしているのがとても気持ちよくて。 抑え切れなくなった、こみ上げる射精感を我慢することもなく鳳翔さんの中にぶちまけた。 急に動きを止めた私を察したのか、唇を離すと豊かで母性の詰まった乳房に顔を埋めてくれた。 その暖かさ、安心感に収まることをまるで知らないかのようにペニスが脈打つ。 その間も鳳翔さんは頭を優しく撫でてくれている。 やがて射精が止まると、乳房から顔を離してくれ、見つめ合える距離まで顔を離す。 「たくさん、出してくれましたね」 それでも頭を撫でることはやめずに、やっぱり優しげな瞳を向けてくれる。 至福ですと言いながらお腹を撫でさするその姿に、確かにこのお腹の中で自分の精子を出したのだと再び実感すると、またペニスに血液が集中していくのがわかる。 「もう、あれだけ出したのに提督ったら……あと一回だけですよ、ね?」 そう言っておでこにちゅ、とキスをくれるとペニスを抜かずにそのまま鳳翔さんは腰をうねるように動かし始めた。
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「第1回、白露型駆逐艦会議を始めたいと思いまーす」 横須賀鎮守府、駆逐艦寮に備えられたやや広い会議用の多目的室。 この中には白露、時雨、夕立、村雨、涼風の5人が集まっていた。 「あのさ、白露。五月雨がいなんだけど?」 集まる用に宣言し、会議の開催を告げた白露に時雨が静かに質問する。 「いいんだよ、この会議はあたいが頼んだ五月雨と提督のための会議なんだ」 時雨の問い掛けには白露ではなく涼風が答える。 「あー、最近あの2人ぎこちないっぽいよね」 「他の皆さんも心配してたし」 夕立や村雨も涼風の答えに頷きながら賛同する。 五月雨はこの艦隊がまだ1人だった頃から提督と戦い抜いた古参であり、 持ち前の健気さや一生懸命物事を頑張る姿は他の艦娘にも好かれ、立派に秘書を務めている。 本人や提督は否定するが、誰がどう見ても恋人としか思えないぐらい2人はお似合いである。 そんな2人がここ数日間どこかぎこちなく、2人とも微妙に噛み合わないらしい。 五月雨はお茶をうっかり零したり、提督は遠征部隊を間違える。 よくある些細なミスではあるが、周りの人間からは何かあったと思わせる違和感があるのである。 「で、何か情報はわかった?」 「赤城さん達が言ってたけど喧嘩したっぽい?」 「金剛さんが言うには倦怠期ネーとか」 「北上さんは難しいよねーだってさ」 「皆適当だね…」 ノリノリで話す4人に比べ時雨は乗り気ではない。五月雨程ではないが艦隊に長くいる身としては2人の関係をよく知っているからだ。 「まあとりあえず大井さんからアドバイスっぽいの貰ったし試してみたいかな」 「じゃ、それで決まりね」 「五月雨、ちょっといいかい?」 秘書としての執務を終え、ゆっくり食堂で食事を取る五月雨を涼風が呼ぶ。 「あ、涼風。ちょっと待って、私もこれで食べ終わるから」 慌てて皿に残されたデザートのアイスを食べると五月雨は涼風に笑顔を向けた。 「で、何かな?」 「いやさ、最近五月雨も提督も疲れてるみたいだからこの睡眠薬をあげようってね」 涼風が睡眠薬と称した錠剤を五月雨に渡し、握らせる。 「睡眠薬?何で?」 「なに、疲れてる時はぐっすり寝るのがいいって言うじゃん」 「そうなの?」 「ああ、何人も言ってたから間違いないよ」 「そっか、ありがとう。提督にも渡してくるね」 「五月雨は一錠で提督は二錠だからねい」 嬉しそうに執務室に走り出す五月雨を見送った涼風はニヤリとする。 「あれでうまくいけばいいんだけどね」 「ふう……そろそろ僕も休むか」 執務室には提督が一人書類仕事に没頭していた。長くなったので先に五月雨は食事を取らせ、自分は軽く済ませるつもりだった。 コンコンとドアがノックされる。この時間なら五月雨とわかっているので提督は返事しない。 数秒後にドアは開かれ、静かに、どこか嬉しそうに五月雨が入ってくる。 「うん、どうしたんだい?間宮さんのアイスでも食べたのかな?」 「提督、私そんなに子供っぽいですか?……確かに食べましたけど」 「いや、アイスが好きなのは子供っぽい訳じゃないさ。長門も実はアイス好きだしね」 何気ない雑談、誰も見ていないけど2人はいつもと同じように接しあう。 「そうだ、涼風達が私達を心配してくれていい薬をくれましたよ」 「薬?」 五月雨が包まれていた封を開き、中から白い錠剤を3つ取り出す。 「睡眠薬だそうです、依存性はなく、ぐっすり寝られるよって」 「ふうん、確かに最近疲れ気味だしね。今日は仕事を終わりにして寝ようかな」 机の上に山積みになった書類を床の段ボールにしまい、提督は五月雨の横に座る。 「どれ、貰おうかな。水は」 「は、はい」 「ありがとう」 提督は事前に準備された水を五月雨から受け取り、ゆっくり薬を飲む。 「さて、寝ようかな。それじゃあおやすみ」 「あっ、提督!今日は……その……」 「あ、ああ……いいよ。一緒に寝ようか」 執務室の横に併設された仮眠室は提督と秘書艦の2人が寝れるようになっている。 普段は使わないがたまに五月雨が提督にお願いしたりすると2人で寝ることがある。 「じゃあ着替えてくるから五月雨も隣で着替えなよ」 執務室のクローゼットにはこんな日のために提督と五月雨の寝まぎや着替えがいくつか常備されている。 慣れた2人はそれぞれ執務室と仮眠室で着替えると仮眠室で布団に横になるのだ。 「やったぜ、提督はあの薬を飲んだよ!」 執務室のドアに借りてきたソナーを付けて盗聴する涼風。 隣には白露も座り、同じように中の様子を盗み聞きしていた。 「あとは大井さんの薬が効果出るまで待つだけかな」 涼風が五月雨に渡した薬はもちろん睡眠薬なんかではない。 大井特製の媚薬であり、即効薬ながら効果も強く、依存性がないスグレモノである。 夕立が大井から聞いたアイデアとは単純に提督に五月雨と寝てもらうだけである。 最近忙しくてお互い欲求不満だろうし、一回すっきりすればいいのだと提案したのだ。 「まああたい達も提督は好きだけどやっぱり五月雨には敵わないしなあ」 「さっさとあの2人は結婚すればいいのにね」 「その意見には同意だけどこういうやり方は好きじゃないかな」 「あれ、どうしたんさ時雨?」 ソナーで盗み聞きしていた2人の背後に静かに忍び寄る時雨。 「やっと見つけたよ。さあ行くよ」 2人の首をガシッと掴むと時雨は2人を執務室の前から引きずりはじめる。 「ちょ、痛い、痛いって」 「痛いし目立って恥ずかしいし……」 「あとね、あの薬は僕が五月雨に説明して本当に睡眠薬に変えといたから」 「えっ!?なんでさ?」 「2人の仲は僕らが干渉すべきじゃないってことさ」 仮眠室では並んだ布団で幸せそうに寝息をたてる2人が寝ていた。 きっと明日から2人は疲れもとれてまたいつものように仲良く頑張ってくれる。 時雨はそう信じて姉と妹を引きずりながら自分の部屋に歩くのだった。 翌日、白露と涼風が何故か戦闘もしてないのに疲労していたのだが本人達は何も語らなかった。
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295 名前:クズ ◆MUB36kYJUE[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 23 09 30 ID 83ch0TLo [1/10] 前スレ 807から大鳳と祥鳳の修羅場ものを投下したものです。 続編を書いたので投下します。 例によってドロドロが苦手な方はスルーをお願いします。 三章 1 自然な目覚め。ぼやけた意識が輪郭を取り戻すと、ある焦燥がさあっと胸を撫ぜ下ろした。上体をばねの様に跳ね起こし、未だ視界 の霞むまま、提督は枕元に時計の時刻を見る。盤面上の短針は、ちょうど五を指した所であった。 それは習慣だった。大鳳が朝の走りこみに彼を誘うようになってから、彼は自身の寝顔の見られることを嫌い、五時の十分前に目覚 ましを鳴らしているのである。傷心の昨晩、ただただ逃避を求めた提督は、何にも意の向かうことなくベッドへと沈んだ。裏側のつま みを押し上げるだけのごく小さな手間さえ億劫でならなかった。時刻をセットしなければという観念はあったのだが、結局意識の落ち るまでにそれを果たすことはできなかったのである。 体躯が独りでに覚醒したのは、羞恥と恐怖による作用があったためだ。寝顔を見られる、意識の無い間に部屋に入られる。自身の秘匿、 意識的なものであれ無意識的なものであれ、そういったものが露呈してしまうという事に厭悪の念がある提督であった。こと大鳳が相 手となると、なにやらぞっとしないのである。 その朝、彼女は部屋へとやってこなかった。どちらにせよ、万斛の愁いに浸った今の精神状態ではランニングなぞできるわけもない。 朝食まで無聊な時間を過ごす事ができたのは幸いであって、彼は彼女と会ったときへの備えとしてあらかじめ言葉を選び取ることがで きた。 非は自身にあるから相手の出方に合わせねばならない。だがそれでも、深刻なことにはならなそうだと楽観できた。あのあてつけは、 向けられていた好意を知っていた上で行われた。舌を差し込んだとき、一瞬の恍惚と悦楽の吐息が唇に感じられたし、落涙は嫌悪によ るものでない事も分かっていた。祥鳳について無遠慮に踏み込んだあの発言がトリッガーだった事を、彼女とて自覚しているはずであ る。ならば反省やら悔悟やらが凝結して、寧ろ相手の方から様子を伺ってくるやもしれない。気遣わしく思う必要はないと結論付ける のに、大して時間は掛からなかった。 大鳳が執務室の戸を開けたのは九時丁度、通常の業務開始時刻である。奇妙な緊張感を纏いながら、彼女は提督の隣に黙って並んだ。 仔細な様子はなかった。積まれた書類を手前に引き寄せ電卓を弾きペンを持ち、彼がそうして仕事をおずおず始めてみると、大鳳も 黙して自身の職務に手をつけた。デスクワークの時間においては、普段の日も割りに静かではある。だが今日は何時ものように挨拶を 端緒としなかったために、異様な重苦しさが両者の息をきりきり詰まらせるのだった。 この展開は、提督が想定した中では最も面倒なものであった。いっそ赤ら顔に怒ってくれていたほうが、まだ宥めようもあったのだ。 恬然とした表情が作り物であることに疑いは無い。だとしてもこちらから不意に謝ってしまっては、寧ろ彼女の機嫌は修復不可能なレ ベルにまで損なわれてしまうだろう。生娘の心理の機微ほど明瞭でないものもなく、提督とてその夜陰の原野には迂闊に踏み込めない のだった。 昼を食べるときに必要最低限のコミュニケーションはあったものの、結局日の落ちるまで気散じな会話はなかった。もし業務外の雑談 をしようとすれば、その話題はどう繕ってみた所で昨晩の事となってしまう。口を開いたが最後、今日やらねばならない最低限の事さ え手に付かなくなるだろうことを、両者は察知していたのだった。 即ち、口火の切られたのは執務の終了後、部屋をでる直前になってからであった。 倦怠の体を労わるように、開いた窓から風が通る。部屋に篭る執務の熱が、攪拌されて冷まされた。互いが互いを散々忖度し尽くし た為に、寧ろ停滞してしまったこの状況において、解決の端緒となるは、やはり立ち去る権利の有された彼女の方であったのだった。 「提督」 見送る視線をうなじに感じ、ドアノブに掛かる指が強張っていた。大鳳は緊張によって震える声音にそう一言呼びかけると、小さな 双肩を縮こまらせた。 「なんだ?」 背中へ聞き返し、彼は椅子から立ち上がる。机の前に立ち、少しだけ体重を預けてみると、ぎしりと耳障りな音が鳴った。 厭に間が開いた。彼女の中では、既に言葉は定まっているはずであった。呼びかけてしまった時点で後に引く事もできないのに、躊 躇が喉を狭めているらしい。人差し指で机の淵を叩いてみると、彼女の体躯は、発せられた硬質の音にびくついた。 それが契機となったらしい。一つの長い深呼吸の後、彼女は大仰に振り返る。顰められた眉、睨みつけていると言ってもいいほどに 細められた眼。口は固く結ばれ、背負う覇気は重々しかった。 真剣な表情にしかし、提督は自身も真面目らしい顔を維持するのにかなりの労をとっていた。まさしく沈黙の半日を象徴する表情だ なと心の中で一人言つと、それもまた何やら面白く思われ、ひくつく頬を押さえ込み、目を逸らして何も考えないようにする。死地に 赴かんばかりの純真さは、立場が違えばコメディだった。 入念に熟成されすぎた言葉が、薄い唇を割った。 「昨晩のことは、忘れたほうがいい?」 癌を告知するような、厳かな風を漂わせた発言だった。しかしこれは朝の暇の間、まず真っ先に予想できたものでもあったのだ。こ の肩透かしな言葉を聞くや、腹底から猛然と駆け上がってきた嘆息を、彼はすんでの所で飲み込んだ。 どう返答するかも決めていた。間髪いれずに 「お前は忘れたいのか」 そう聞き返すと、彼女は吃驚したように目を見開き、遅れて頬を淡く染める。 「質問を質問で返さないで!」 「なんで」 「あの、困るわ。そんな事聞かれたって、私、答えられない」 両者の間が詰まる。一歩一歩、提督はゆったりと彼女に近づいてゆく。絨毯の踏まれる足音が耳に入るたび、脅えたように眼が涙を 湛えたようだった。とうとう耐え切れなくなると、大鳳は体ごと視線を背ける。ドアノブにもたれる様にして、背が小さく丸められた。 横顔に垂れる一房の髪が、掬い取られ、撫ぜられた。震える肩の強張り、筋立つ手の甲。眼は瞑られ、その拍子に一滴の雫が流れ落ち る。目尻から頬、そして頤へと煌く筋が顕れ、色白で滑らかな肌を彩った。 頬に手を這わせる。従順に正面へと向いた顔には、しかし脅えの色があった。 「駄目。提督、駄目です……あっ」 僅か押される腕。引き離そうとするその動きに、ほとんど力は込められていない。唇の重なり合うと同時、大鳳は自ずから目を閉ざ してしまったのだった。 啄びの最中、口の少し離れるたびに、小さな嬌声交じりの吐息が漏れ出す。嬲られる唇の甘い刺激が、胸を締め付けてならなかった。 彼女は縋るようにして、彼の胸元、縒れた白の上着を掴む。浮いた背の隙間に、すかさず腕が入り込み、両者の体躯はぴったりと密着 させられた。 彼の舌が口腔内へと進入する。口の離れた時にしか発せられなかった吐息が、開かれた隙間、唾液の跳ねる音と共に、常時聞こえる ようになる。羞恥と悦に腰の抜けそうになった彼女は、股の下に差し込まれた大腿に支えられて、何とか立ち続けることができていた。 快楽の蹂躙に蕩けた思考は、更にその先を求めだしたらしい。恐々と言った風ではあったが、大鳳は遂に自ずからも舌を差し出し始 める。ぬめる両者が口と口との間に触れ合うと、羞恥の熱が遅れて彼女の胸を焼く。 供物の捧げられたのを感じ、彼はすかさずにそれを絡めとった。吸い、嬲り、大きな水音の響くたび、記憶の辛さが溶けるように和 らいだ。今、目前の娘を感じ、補填による充足が気を軽くしている。満たされるという感覚ではなく、代替によって補われ、癒えると いった風だった。自身の腹底の暗い事に驚懼し、だが湧き出す自嘲の痛みさえ、この補填が紛らしてしまうのである。 「ベッドに行くか?」 口を離し、伝う橋もそのままに聞くと、彼女はこくりと頷いた。提督の眼に滲むのは、ただただ深い憐憫の情のみである。 2 彼女は褥に横たわった。 既に腹部と首元の装甲は外されていた。肩に掛かる上着を脱がしてみると、滑らかな色白の肌が凄艶である。軽く握られた掌が顔の 横に置かれる。今や露わになった腕の華奢さに、危うげな、無垢の妖艶を感じて、提督は生唾を飲み込んだ。 手折られた茎を思わせる手首に、彼は唇を近づけた。僅かに膨らむ筋を食み、舌を這わせると、閉じられていた指が開いていった。 覆いかぶさる体温と、感ぜられる吐息の熱さ。そして舌の淫靡な感触に、大鳳は胸奥を痒がらせる。意想外の部位であった。故に、 与えられる刺激への覚悟が無く、たちどころに力の抜けるような感じがした。 数分間続いたこの手首への愛撫は彼女の思考悉くを蕩けさせ、眼は溶け落ちそうに潤んでいる。 インナーと肌との間には一縷の隙間も無く、体躯の細さがより際立つ。一度上体を持ち上げた提督は、彼女を俯瞰した後、今度は首筋 へと口を下ろした。 「あっ……」 鎖骨に触れた湿りが、彼女の喉を鳴らした。差し出された舌はそのまま首を登攀し、丁度頤に目尻の触れる場所まで辿り着くと、深く 咥えこむように唇が開かれた。 吸われ、跡の付けられていることを知覚し、大鳳は慌てて抵抗しだした。力の緩びきっていた体が、息を吹き返したかのように暴れる。 顔を背け、肩をよじり、腕は彼の胸を押した。 真意の掴めない内に、恋人のような睦みを受ける不安。それが漠然とした恐怖となって、彼女の胸を痛ませた。ましてや、キスの跡と は所有の証とも捉えられかねないのである。身の堕ちる感覚が、背徳の悦でもあり、屈辱でもあった。 「駄目、やめ……んっ」 幾ら頭を振っても、彼の口は離れない。一秒、二秒と時間の経過してゆく度、彼女の快楽はその暗がりを増していった。自身の純真 が犯され、蹂躙されている事を、泣き出したい気持ちに受け止めている。それは決して厭悪の感触ではなく、寧ろ被虐の悦びを享受し ている風だった。首筋のこそばゆさは、やがてぴりぴりとした刺激に変化する。 舌で慰撫した後、口を離して眺めてみれば、濫りがましい鮮やかな朱色が咲いていた。指先で拭うように触れてみると、彼女の口から は熱い息が吐き出された。 「服で隠しきれないね」 煽られた嗜虐心に従い、そう言って見せると、彼女の瞳には絶望の色が滲んだ。見咎められる場面でも想像したか、眼は潤み、頬は これ以上ないほどに赤くなった。 腕が、再びぱたりとベッドに落ちる。提督は手首を押さえると、今度は優しく口にキスをする。舌も差し込まず、ただ唇同士を触れ 合わせるだけの接吻であった。 その効果が如何なるものか、きちんとした予測はあった。果たして大鳳の心情は、それとまったく同じ動きを見せたのである。即ち 仮初の恋慕。望む望まざるに関わらず、彼女は想いの通じ合う喜びを垣間見た。甘い歓喜に身を震わせ、刹那の慰みが心中を癒した。 だが奥深く、根源の感情は寧ろ、引き千切れそうなほどの切なさ。どうせ裏切られるのだろうという諦観の観測が、胸底を炙り疼かせ るのだった。 悦楽への端緒として、最終的、そして究極的な感情は悲壮である。身の結合とは反対に、感情においては繋がらない。そういった背反 の空虚こそが、性の快楽を最大のものとさせる。提督は大鳳を好いてはいなかった。そして、ただ彼女のよがる姿を見、それを慰めと したかったのだ。 このキスに、いや愛撫全てにおいて慈しみなど込もってはいない。慕情の無きを伝播させるに、恋愛的好意を用いるのだった。彼女 を貪婪にさせ、ひいては淫猥と呼べるほどにまで乱れさせる。その目的への手段として、清白な純真を踏み躙り、汚すのだ。 後ろ首の留め具を外す。腹の辺りの弛みを掴み、引っ張った。インナーは滑らかな肌をするすると滑り、遂に薄い膨らみを通り越え た。 露わになった頂を隠そうとしたのか、ほんの少し、腕の動く気配があった。だが逡巡の硬直の後、僅かに浮いた手の甲は、力の入っ たまま降ろされる。含羞の顔を横へと逸らし、彼女は唇を噛み締めて、体に注がれる視線を受け止めた。 やはりコンプレックスなのだろうと思われた。提督は平坦のそこ見、加虐の悦を押さえ込む事も無く、頬を吊り上げ口を開いた。 「ちっちゃい」 嘲る語調が癪に障ったか、珍しく本気で怒っているらしい眼を持って、彼女は提督を睨みつける。申し訳なさの欠片もない、余裕の 笑みを視界に入れて、口惜しさは一向募るばかり。 彼唯一の弱点を知った身上、報復としてその話題を出すのに躊躇はなかった。彼女は、彼以上の嘲りの声音に、 「祥鳳さんと比べて?」 と言う。果たして、彼の目にも怒りの色が滲み、胸のすっとする様な心地になったのもつかの間、胸底の痒くなるような快楽が思考 を中断させた。 「あっ……ん、はぁ」 右胸の蕾が無遠慮に摘まれ、空いているほうには遅れて唇の感触があった。繊細な指遣いと動物的なぬめりに、背筋がぴんと強張っ た。 ただ痛くはないというだけの、容赦の無い愛撫である。温もりと形容されるような、精神的充足を感じさせる行為ではなかった。皮 膚感覚の敏感な所を執拗に刺激され、彼女の口からは熱い吐息が漏れ出した。 やがて彼のキスの及ぶ範囲は、上腹や脇にまで広がるが、その間も手は僅かな膨らみをしつこく撫ぜ続けた。指は沈み込み、掌の蠕 動が柔らかく肌を波打たせた。色付く頂が擦られると、吐き出される息には声が乗る。羞恥を感じる暇もなく、大鳳は快楽に翻弄され るだけであった。 「んぁ……はっ、ぁあ!」 勃ったそこが弾かれると、彼女は一段高い声に啼いた。刺激の残滓として痺れが残り続け、それは次第に思考までをも侵蝕する。再 び摘まれたそこの引っ張られ離される瞬間、痛みへの恐怖はしかし、快感への期待と変わっている。 飽きるまで弄び、臍の辺りに口付けた後、提督は一度上体を起こした。 「腰、浮かせて」 スカートとスパッツに手をかけて、彼女を伺い見てみると、虚空を眺める瞳に遅れて意思の光が燈る。 「……はい」 年甲斐もない甘える声の返事と共に、ゆるゆると持ち上がった腰に合わせて、彼は手に掛かる全ての布を一気にずり下げた。 今や生まれたままの姿となっている事を、彼女は他人事のように感じていた。太ももを滑る指が一度下腹部にまで登った後、とうと うその直下へと下ろされていった。蛇の進行が如くもったいぶった動きで、徐々に徐々にと近づいてゆく。 「……ぅぁ」 陰唇の上端に触れかける寸前、指の動きは完全に止まった。ちょうど、三流の悪役が獲物を目の前に舌なめずりをするのと同じよう なものであった。恋愛の無い情事において、その慰めは嗜虐によって達成されるのだ。 男を知らないそこは、恥丘の膨らみから谷の垂線まで、清白の極限であった。だが不釣合いにその全体は淫靡な粘液に濡れ、桃色の 襞が婀娜やかにひくついている。再び動き出した指先が陰唇の上端を掠めると、歓喜の嬌声が彼女の意思に反して漏れ出した。 「あぅ……ん、ぁ!」 這わされた指は、その全体が包まれるようにうずまり、細かく上下に震わすと、卑猥な水音が部屋に響くようだった。時折軽く叩く ようにすれば、その音はより鮮明になり、飛沫はシーツと脚とを汚してゆく。 今すぐに舌を噛み切りたいと思うほどの羞恥に苛まれ、大鳳はかぶりを振った。胸への愛撫を受けた際には、ただぼうっと思考の蕩 ける感じがするだけであった。だが直接的な、下準備としての行為は、自身の雌としての本能を無理やりに剥き出しにさせられてるよう で、侵される矜持に我慢がならないのだ。 提督はずいと体を寄せたかと思うと、空いていた方の手で髪を梳きながら、耳の淵へと舌を伸ばした。輪郭をなぞり上げ、耳たぶを 軽く甘噛みし、思わず足の緊張の解けたのが感じられるや、すかさず陰部への刺激を大きくする。解きほぐすようにして、表面から奥 深くへ、蒸れた卑猥の孔を穿った。 「ま、待って! ひぐっ……んぅ」 懇願は無視をされる。最早与えられる過大な快楽に僅かな抵抗さえできない彼女は、ただただ一方的に嬲られるという被虐の悦を享 楽するしかなかった。 自身が自身でなくなるような恐怖を抱き、彼女は提督の体躯にしがみつく。喘ぎ声を聞かせるような格好をしている事に、気が付く 余裕も無い。頬を擦りあわせ喉の震えるまま、獣性の蹂躙をその身に受け続けた。 時間間隔の希薄になるほど蕩けきった思考が、快楽による拷問の終わった事をようやく遅れて認知した。横隔膜の絞られた痛みや、 臀部にまで感じられるシーツの湿り気。そういった残滓が一つ一つ知覚され、今現実に再び帰還したような心地となった。 布擦れの音と視界の肌色に、どうやら彼も服を脱いだらしい事が分かった。大鳳は逡巡の後、その行為の意図を察すと、慌てて迫る 胸を押した。 「あの、提督」 「なに?」 「愛してるって、言ってください」 ハスキーな声音が、より掠れている。提督の胸には憐憫や寂寥がわだかまり、咄嗟の返答をできなくさせた。 「愛してるって言ってくれなきゃ、入れちゃ駄目なんだから。……私、祥鳳さんの代わりなんて、厭」 答えを待つ視線が焦りに揺らいだのは、それを言い終えた直後だった。 罪悪の意識が無かったわけではない。それでも、その一語を言うに未だ提督は臆病すぎたのだ。無理やりに開かせた足の間、肉槍の 迫っている事を感じ取り、大鳳は半ば悲鳴に近い声を出す。 「駄目、いやぁ! 提督、待って!」 本気らしい抵抗があった。拳が胸を叩き、足と腰はそれを遠ざけようと懸命に暴れる。しかし既に覆いかぶされている状態では、全 て無駄な足掻きだった。 その痛み、自身が犯されたと気が付いた時のその表情を見て、提督は暗い愉悦を感じた。 「……ひどい」 吐き出される呪詛が耳に心地よい。向けられる恨めしい視線が慰めだった。腰を振れば、強気な彼女の表情も、恍惚と悲壮に歪むのだ。 自身に内在する暴力性が、相手の完全な屈服を求めた。提督は腹黒い笑顔に、躊躇わずそれを口にする。 「でも、身体は悦んでる」 指が肉芽に伸びると、彼女の膣は咥え込んだ彼を扱く様にして蠢く。必死に首を振る彼女を見下ろし、尚追撃は緩めず、落涙を舐め て耳を食む。 反復され続けた悦楽の指教が、体躯を極限まで淫らにした。精神は未だ清く彼の恋情を欲したとしても、最早体の方は剥き出しの本 能に従う獣となった。下腹部を圧する彼の存在に、満足を覚えている自身。厭で厭で仕様が無いはずなのに、言葉で責められれば言い 返せないのだった。 それからどれだけ責め苦は続いたか。穢しぬかれ、淫らに湿潤蓄えたそこは、彼を咥え扱く女の肉壷となった。 動きの速まりを感じて、彼女は緩くかぶりをふった。 「中に出すぞ」 征服の証が刻まれる。その事への厭悪と被虐の悦が複雑に混ざり合い、慟哭とも嬌声とも取れない声となって溢れ出す。絶望的な心 境の中、腹内に広がった温かみが、彼女を否応無しに絶頂させた。 3 祥鳳は全てを聞いていた。 かつて提督と恋仲にあった時、褥を共にし迎えた朝。心地よいまどろみに、つい起床時刻の直前まで体を横たえらせていた事が幾度 もあった。 存外朝に弱い提督は、それに気付く事もなかったから、毎晩シーツに温もりの残滓を認めるだけだったのだろう。毎夜毎夜、その行 為が夢であったかのように、忽然と消えている彼女の姿。それは、彼にとって一種の耽美に思われたはずだ。 実際には、より泥臭い方法をもってして、この演出は行われていたのだった。早起きの艦娘に見つからないよう、宿舎棟、自身の部 屋まで移動する方法として、やはり理想は廊下を歩む事をせず、窓から進入することだった。問題は彼女の部屋は二階にあり、裏庭と も言うべき窓側の空き地からの帰還はとてもできそうにもなかったことである。 鎮守府本棟の提督の寝室は二階、つまりその建物においての最上階にあって、構造上屋根の端が窓視界の上端に掛かっていた。艦娘 としての非凡な能力を用いれば、そこに手を掛けよじ登る事など造作もなく、彼女は起床の時刻の遅かった時、何時も屋根伝いにて、 部屋へと帰還していたのだった。 途中渡り廊下の天井へ飛び降り、対岸の艦娘宿舎の壁を、小窓の突起を用いて登攀する。自身の部屋の直上まで辿り着けば、後は開け ておいた窓の位置を確認して、身を滑り込ませるだけであった。意外にも試みは容易く成功し、以来彼女は、就寝に不安も感じなくな ったのだった。 虚偽の恨み言をぶつけた事へ罪悪と悔悟の念に苛まれていた祥鳳は、その日、増幅するそれらの感情にとうとう耐えられなくなると、 謝罪と真意を告白する決心を固めた。ただ、夜の早いうちに執務室を訪ればあの装甲空母が邪魔であるし、かといってわざわざ二人で 話をしたいと面向かいに言うのもいらぬ誤解を与えかねなかった。悩む彼女の頭には、いつしか意識の敷居の下にその思い出が巡りだ し、それが突破口となって一つの策謀が胎を結んだ。 夜半、彼の就寝時刻直前。祥鳳は部屋の窓から身を乗り出し、屋根の路を進んだのだった。 幾ら大鳳と言えど、未だ同衾関係にまでなってはいまい。ならば、彼の寝室にて待っていれば二人っきりで話ができると、彼女はそ う思い至った。 個人の部屋に無断で忍び込む事について良心が痛まないわけでもないが、それ以上の罪を重ねた身上、致し方ないと結論付ける。自 責の痛みをこれ以上我慢することは、とてもできそうになかったのだ。月光の照らす中、足音を忍ばせ、本棟寝室の真上にまで到達す る。 窓から部屋への進入に成功した彼女は、まだベッドに彼のいないことを確認した後、隣の執務室へ聞き耳を立てていた。明瞭でない 彼と彼女との会話の声は、しばらくの時間の後、ぱったりとまったく聞こえなくなる。 廊下への扉の開く気配も無い。疑問に思っていると、今度はカーペットを踏みしめる音、それも四足二人分が徐々に大きく聞こえきて、 彼女はぎょっとして壁から離れた。部屋の中央に立ち尽くすし、焦りと混乱の中、とにかく隠れる事のできる場所を探した。まず真っ 先に視線の向かったのは洗面所であったが、両者の一方でもトイレに赴けばその時点でばれてしまう。ドアノブが回されたのを視界の 隅に捉え、半ば思考の外の反射に、彼女はよりにもよってベッドの下へと潜り込んだのだった。 木板とマットレス、合わせておよそ一尺の厚みを挟んで、情事の生々しい音を聞き続けるしかなかった。嬌声も水音も、スプリング の軋みにさえ吐き気が催され、思わず声を上げたくなるのを口を押さえて飲み込んだ。大鳳の濫りがましい嬌声に殺意を抱き、彼の荒 い口付けの吐息が、胸を辛く痛ませる。目尻から涙を流すまま、透視でもしているかの如く、ひたすらその底板を睨んでいた。 だが耳をそばだて続けていると、一つの救いが垣間見えた。大鳳のその懇願が無視をされたらしい事。提督から愛しているという言 の出なかった事に、至上の喜びを覚えた彼女でもある。別れを告げて半年が過ぎても、未だ心はすぐ側にあったと気付き、感動が胸を 馳騁する。 この行為にあてつけと慰め以上の意味は無い。寝具に阻まれていようとも、たとえ実際に抱かれているのは大鳳なんだとしても、精 神の交錯は今この場においても成っているのだ。 思わず彼女は 「私、浮気には寛容です」 極々小さく、一寸先の人にも聞こえないような声でそう呟いた。 寝具の上の遊戯は、もうすぐ終端を迎えるらしい。中に出すぞという彼の言葉が、甘く耳の側に響いた気がした。 彼女の心内は、甚だ複雑な様相を呈していた。胸をのたうつ嫉妬の情は、一向に烈しさを増すばかりだが、直上の彼の姿を想像すれ ば途端に甘い悦楽が湧き出してくる。 彼の思考にあるのは自身であるはずだった。ならばその吐き出される精も、向かう先は自身なのだ。ただ物理的に受け止める艦娘が違 うだけであって、故に彼はまだ私のものだ。 祥鳳は心の中に、そう独り言ちた。目の前の板に触れてみる。まるでそのまま貫通し、彼の体躯を抱きしめにいくかのように。 大きくなった吐息の音を聞き、祥鳳の女陰もまた独りでに蠢いた。今、空想と吐き捨てるには余りにリアルな触感がある。容赦なく 押し広げてくる堅い彼と、その先端から注がれる白濁の温かさ。出し終えた後も、彼は二、三回ほど奥を突くのだ。限界まで吐き出され た精が、更に深くへと押し込められる。その歓喜が完璧に再現された。 彼女もまた、彼らと同じく、絶頂を覚えていたのだった。肩が強張り足は伸びて、嬌声を我慢するのにはかなりの労をとっていた。 恍惚の表情は、しかしおぞましい凄みを発してもいる。涙は留らず口角は吊りあがり、瞳が異様なほど燦爛としていた。 提督を取り戻す、提督を取り戻す。口の動きだけで、彼女はその言葉を繰り返し続けた。 <続く> これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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●艦これ×PA 誰よりも驚いたのは、事件に巻き込まれた当の本人達だったに違いない。 その日、連合艦隊は来るべきAL/MI作戦に向けて大演習を展開していた。しかも大胆な事に、この大演習は深海棲艦が陣取るMI海域の比較的目前で行われた。 深海棲艦は人類にとって恐るべき敵だ。突如として出現し、電撃的侵攻によって人類から制海権を奪い取ってしまった。 記録によると、初出現地点は南太平洋だとされているが、これは最初に深海棲艦の存在が確認された場所であり、定かではない。 海は人類にとって輸送の要だ。その輸送量は陸運や空運のそれを遥かに凌駕し、1隻の大型船を建造するだけで大量の物資を運搬出来る。 そのシーレーンを抑えられた人類は互いの連携を失い、物資の往来を大幅に制限された事によって力をジワジワと奪われて行く運命にあった。 そこへ現れたのが艦娘だった。正体について諸説あるが、実態は不明である。 艦娘は人類にとって深海棲艦に対する最大の対抗手段だ。艦娘とは第2次世界大戦時代に運用された軍用艦艇が、その艦歴を記憶に持って人の形を取ったもの、と説明できる。 さて、今回の大演習の目的は、MI作戦実行に向けての橋頭保確保である。臨時の補給・整備施設を構築する事でMI作戦を継続的に行えるようにするのだ。 本土からMI海域までは非常に距離があり、この間は補給艦を編成に加えない限りは補給を望む事は不可能である。 そこで各鎮守府では、横須賀鎮守府提督(以後Y提督とする)の主導の下、MI海域における作戦行動及び同海域の永続的確保を可能とする補給・整備拠点を設ける事で意見の一致を見た。 大本営もこの作戦計画を承認し、早速連合艦隊は訓練に入ったわけである。 「…どうしました加賀さん?」 しきりに自分の足元を気にする正規空母娘の加賀に、第1艦隊旗艦の赤城が声を掛けた。赤城は加賀と一緒に第一航空戦隊を組む正規空母娘だ。艦隊内では一航戦はエース中のエースとして名高い。 第1艦隊は橋頭保確保の時間を稼ぐ為の壁として、小島より更に先の地点で五航戦を中核とする第2艦隊と共に展開しており、橋頭保確保完了の報告を受けて持ち場の第1拠点に帰投する途中だった。 因みに五航戦とは、翔鶴型航空母艦姉妹の翔鶴と瑞鶴で構成される空母部隊の事である。 「ちょっと…機関部の調子が悪いようです」 顔を上げた加賀は、着用する青い袴からイメージされる通りのクールボイスで言った。ただし今回は微かに困惑の色が含まれている。「おかしいですね。何度も点検したのですが…」 「機械はいつも完璧では無いですよ?」 「しかし実戦だと致命的です。敵の良い的になります」 「確かに、今回が訓練で良かったとは思いますね」 赤城は首肯すると、右前方に見える小島に顔を向けた。第1艦隊が受け持つ第1拠点だ。そこから横に数キロ離れた地点に、第2艦隊が担当する第2拠点の小島が浮かんでいる。 どちらにも山があり、海上からの艦砲射撃による直接打撃を防げる地形となっている。最大の脅威は空爆だが、集積ポイントはいくつかに分散されており、おいそれと簡単に壊滅させられないよう考慮されていた。 そもそも拠点を複数に分けてあるのも同じ理由からである。 「赤城さん。私は第2拠点に行きます」 「え、第1拠点の方が近いですよ?」 驚く赤城に、加賀は続けて説明する。 「明石さんは会議に参加するので…それを邪魔する事は出来ません。第2拠点には夕張さんがいます。そして私の艤装の調子は、航行不能までには至っていません。となれば第2拠点に立ち寄るのが論理的かと」 「…なるほど、加賀さんの言う通りですね」と、赤城は同意した。「では、島風さん…」 赤城が第1艦隊で唯一の駆逐艦娘に加賀の護衛を命じようとしたが、加賀が止めた。 「いえ、赤城さん。第2拠点周辺を哨戒中の娘達の中から選びます。私の為に巻き込む事はありません。それに、休ませないと」 「ふーむ…でも島風さんを第2拠点で休ませても良いのでは?」 「いえ…あの…」 そこで加賀がやや困ったような顔をしたので、赤城はその理由を瞬時に理解した。奔放な性格で知られる島風と、堅物の加賀はそりが合わないのだ。 島風が第1艦隊に組み込まれていた理由は、最大速度が時速40ノット以上と連合艦隊最速を誇っており、強行偵察等に利用出来るからであった。 今回の大演習の責任者の一人として、赤城と加賀は今現在第2拠点周辺を巡回しているのが第3水雷戦隊である事を知っていた。 第3水雷戦隊には、川内型軽巡洋艦娘の川内を旗艦として、吹雪型駆逐艦娘の吹雪、白雪、初雪、深雪、叢雲で構成されているわけだが、その中で吹雪と白雪は実直で真面目な性格として知られる。 仕方ありませんね、という風に赤城はにっこりした。 「分かりました。では川内さんにお願いして、一人割いてもらう事にしましょう」 赤城は通信をオンにした。「こちら赤城。川内さん聞こえますか?」 すぐに応答があった。 「こちら川内。何ですか?」 「加賀さんの艤装が不調です。それで第2拠点に向かわせるのですが、護衛を一人回してもらえませんか?」 訓練後の総括があるのは川内も知っていたので、加賀が最寄りの第1拠点に向かわなかった理由は何となく察しがついたが、やはり1つ気になった事があった。 「…別に構いませんが…そっちに駆逐艦いませんでしたっけ?」 「それは聞かないで聞かないで」 小声で催促する赤城に、川内は「あ~」と笑いながら応じた。 「了解。んじゃあ吹雪を回しますね」 「助かります。赤城終わり」 通信を切ると、赤城は加賀に頷いて見せた。「吹雪さんを護衛につけてくれるみたいです」 加賀は静かに息を吐いた。僚艦に隠れて見えなかったが、島風も額の汗を拭っていた。どうやら知らないうちに互いの利害が一致していた模様。 「では赤城さん。私はこれで」 「気を付けてね?」 「はい」 小さく頷くと加賀は隊列を離れ、第2拠点に向かった。 「ここからなら第1拠点がよく見えますよお?」 高台から第1拠点のある方角に向かって指差している青葉に追いついた瑞鶴は「ヒューッ」と口笛を吹いた。 心地良い海風に吹かれて、ツインテールが旗のようになびく。 「翔鶴姉見えるかなーっと」 瑞鶴は首にぶら下げていた双眼鏡を握った。 五航戦は一航戦より一足早く拠点に戻ったものの、翔鶴は瑞鶴に指揮権を委ねると第2艦隊のメンバーを残して、会議の為に第1拠点に向かった。 指揮権を委ねられたとは言っても、殆ど留守番みたいなもので、事実上「暇」であった。 そういうわけで上陸後の瑞鶴は手持無沙汰となったが、金剛型高速戦艦娘の金剛が第2拠点のメンバー全員に紅茶とお茶菓子を御馳走してくれるらしく、今は3番艦の榛名と共に準備中だった。 金剛は他に手伝いはいらないと言ったので、とりあえず瑞鶴は青葉に声を掛けて、第1拠点がよく見えるポイントを探してもらった。 青葉とは青葉型重巡洋艦の1番艦で、艦隊内ではプロ顔負けのカメラマンとして有名だった。彼女の愛用する黒色の一眼レフカメラのレンズ内には、連合艦隊の歴史が何枚も収められた。 そしてさすがは青葉である。ものの一発でスポットを特定してみせた。それが瑞鶴と青葉が今いる高台である。 最も高い山頂よりは低いが、山頂に行ったからと言って見晴らしが良いわけではない。木々や岩に阻まれて眼下の光景が見下ろせない事は多々あるのだ。 双眼鏡を目に当てた瑞鶴を見て、青葉は頭を掻き掻きした。 「さあ、司令部が丸見えだと撃たれ放題なんで、見えないんじゃないかとぉ…」 しかし瑞鶴は諦めなかった。 「でもまだ会議は始まってないわけだし、どこかを翔鶴姉が歩いてたらワンチャン…ってあれ?」 瑞鶴が眼下に偶々映った人影を見つけた時、横からシャッター音が響いたので、不意を突かれた瑞鶴はビクッとしてそちらに目を向けると、いつの間にか青葉が片膝立ちでカメラを構えていた。 「良いポーズでした!」 青葉は立ち上がった。「それで、何を見つけたんですか?」 「あれよ」 「どれどれ」 瑞鶴の指差す先を目で追った青葉は、「あらら」と言った。 「あれは加賀さんじゃないですか?」 双眼鏡を覗き直すと、果たしてそれは加賀であった。隣に吹雪を伴っている。 「何しに来たんだろ」 そう言いながら、瑞鶴は直感で事情を察した。「…そっか、エンジンがおかしいのか」 すると青葉が意外そうな表情をした。 「あの加賀さんがですか?あり得ないですよ…でもホントだとしたら、妙ですねえ」 「いじり甲斐がありそう」 瑞鶴の口元は無意識にニヤニヤしていた。「そうと決まればやるしかない」 「え、何がですか?」 質問を無視して高台を駆け下り始めた瑞鶴を、青葉は目を丸くして見送った。「まさかと思いますが…でも殺されますよ?」 しかし青葉はジャーナリストでもある。そう言った瞬間、青葉の顔からもニヤニヤがこぼれる。 「…これは見逃せません!」 青葉も喜々として高台を駆け下り始めた。脳内は早くもニュースのタイトルと記事が組み立て始めていた。 第2拠点に上陸した加賀を、最上型航空巡洋艦娘の鈴谷と熊野が敬礼して出迎えた。正確に言えば最上型「重巡」だが、姉妹4人とも航空巡洋艦仕様に改装した為、このクラス名に変更された経緯がある。 鈴谷と熊野は浜辺で何かを話していたようで、加賀と吹雪を真っ先に出迎える形となったようだ。 熊野が金剛の紅茶を勧めたが、加賀は丁重に断った。 「ごめんなさいね、ちょっと急いでるから」 答礼するとすぐに歩き出そうとした加賀だったが、酸素魚雷の如く突っ走って来る瑞鶴と青葉を不審げに目を留めた。 「イエーイ、加賀ったらどうしちゃったわけ!?」 そう言えば翔鶴も会議に参加する事を加賀は思い出した。いつも姉と一緒の瑞鶴としては退屈だったのかもしれない。 となると自分は退屈凌ぎのサンドバッグか。 「まったく…」 加賀の前で立ち止まると、瑞鶴は恭しく敬礼した。 「第2拠点へようこそ!隊長代理の瑞鶴が御挨拶申し上げます!」 「わざわざ挨拶どうも。でも用事が済んだらすぐ帰るから」 そう言うと加賀は吹雪の背中を軽く押して先導させた。その吹雪は苦笑している。 予想通り瑞鶴は後ろからついてきた。鈴谷は面白がるように、熊野は心配そうに互いに目を合わせた。 「大丈夫だって熊野」 「本当でしょうか?」 「鈴谷が保証するよ」 「何を保証するのです?」 「まあとにかくリラックスして見てなって」 熊野が心配するのをよそに、瑞鶴は尚も加賀に絡んでいる。 「もう、つれないわねえ」 頬を膨らませる瑞鶴。「世間話くらい良いじゃん」 「あなたと与太話しようとここに寄ったんじゃないわ」 「ほう、それでは何の為です?」 瑞鶴のおとぼけと、パチパチと青葉の押すシャッター音に辟易を増幅させながら加賀は適当に答える。 「…あなたとは関係無い理由。それだけよ」 「おやおや、ここは我らが五航戦が受け持つ第2拠点。関係はあるんじゃないかしら?」 「それならついて来ると良いわ」 「素直に答えたら良いのに」 既に加賀と瑞鶴の不毛な言葉合戦は周りの注目を集めていた。談笑していた二水戦所属の駆逐艦娘達も2人を視線で追い、ティータイムの準備をしていた金剛と榛名も作業の手を止める。 元々対立関係だった2人が和解してからのやり取りは、もはや漫才か何かのイベントみたいに捉えられていた。 何も言わない加賀を、先導する吹雪が肩越しに見上げた。怒っているのでは無いかと心配したらしいが、加賀は吹雪に向かって両眉を上げたので、吹雪は胸を撫で下ろした。 少し離れた所にいた艦娘達も遅れて気付いた。 向かい合って話をしていたのは、阿賀野型軽巡洋艦娘3番艦の矢矧と球磨型軽巡洋艦娘5番艦の木曾だ。 今回研修として、数名の新参艦娘が演習に参加しており、ここの補給拠点にも3名が配置されている。 その1人が矢矧で、木曾は研修部隊の一教官に任命されていた。 他の研修生は、陽炎型駆逐艦娘10番艦の時津風と、白露型駆逐艦娘5番艦の春雨であり、それぞれには直属の教官として、時津風には陽炎型7番艦の初風、春雨には白露型2番艦の時雨が当てられている。 今回この6名編成で、一研修部隊として訓練に参加していた。 「あの方…」 「ああ、加賀だ。そう言えば初めてだったか?」 木曾の問いに、矢矧は慌てて否定する。 「いえ、以前に一度お会いして挨拶しています。ただ、久し振りに見たものですから…」 「そうか」と、木曾は言いつつ、「そう硬くなるな。隊長というもんは、リラックスしとかなきゃダメだぞ。まあ、敵を目の前にして欠伸できるくらい余裕こいてりゃ、部下も安心するってもんさ」 「神通さんはそう仰らなかったのですが」 「あいつはあいつで、部下から信頼される手段を持ってる。お前はお前で、信頼を得る何かを作り上げる事だな」 通り過ぎていく加賀と瑞鶴を顔で追いながら木曾は言った。「恐怖は伝染する。だから隊長は、肝が据わってなきゃダメなんだ。良いな?」 「はい」 矢矧と木曾から数メートル離れた所では、初風がひたすらボヤいており、時雨は困り笑いをしていた。 「大体なんで私なのよ。時雨はベテランだしエリートなんだからまだ分かるけどさ…」 「時雨は第一線にいる方が似合ってると思うんだけどな~」 「うっさいわね、分かってるわよ」 終始のんびりした口調の時津風に、初風はつい苛立ってしまった。「…ごめん」 「うんうん。これだから初風は可愛いんだよね~」 初風は渋面で隣に座る時津風を見た。 「あんた、嘘でも私先輩よ?」 「ごめんごめん」 「でも、僕も春雨の教官になるとは思わなかったな…」と、時雨が肩をすくめた。「でも勉強にもなるから、嫌いじゃない」 「雪風が教官に欲しかったな~」 「絶対教育が成り立たないと思う」 時津風は笑いながら初風を指差した。 「あ~、やっぱそう思う?」 初風は憮然と返した。 「誰が見てもね」 「時雨さんは本当に教え方がお上手で、感謝しています」と、春雨が時雨に頭を下げた。 「いや、僕は単にやれる事をやってるだけだから」 しかし嬉しいものである。時雨の右手は自然と春雨の頭の白い帽子を優しく撫でていた。 それを見て時津風も初風におねだりする。 「ねー、私の頭を撫でてよ~」 「…あんたにはトンカチがお似合いよ」 「えーひどいなー、時津風怒っちゃうぞー?」 しかし時津風は気分を害したというよりは寧ろ面白がっていた。 そんな漫才みたいなトークを後ろに聞いて、平和だなと思いつつ加賀は、吹雪に案内されてハンドサイズの石ころがたくさん転がっている浜辺に出た。 「あそこです」 いくつかある物資集積地点の1つで、2人の艦娘が物資をチェックしていた。 と言っても、大量のドラム缶や弾薬箱や道具箱があるわけではなく、上陸時に艦娘が持参した物資が少々であって、後は『物資集積予定地』と書かれた札が立て掛けられてあるだけだ。 「夕張さーん!」 両手をラッパのようにして呼ぶ吹雪の声に、藍色のセーラー服とメロン色のスカートを着た方が立ち上がりながら振り返った。 夕張は明石と一緒に工廠で働いており、主に兵装実験を請け負っているが、明石の手ほどきで艤装の整備と修理も出来るようだ。 「なーにー!?」 「加賀さんの艤装を見てあげてください!調子がおかしいそうです!」 「おっけー!そこで待ってて!」 右手を振ると、夕張はもう1人に何か言ってから工具箱が載せてある箱の所へ走って行った。 もう1人の方は青葉と同じ色のセーラー服で、青葉型2番艦の衣笠である。 加賀は瑞鶴に振り返った。 「…まあ、そういうことよ」 「あらまあ」 信じられないというように口元に手を当てた瑞鶴を、加賀は時化たように見返した。 「…知ってたでしょ」 「まあね」と、瑞鶴はあっさりと認めた。 「じゃあなんでそんな回りくどい事するの?」 瑞鶴は肩をすくめた。 「良いじゃん別に。退屈だったから」 加賀は遠巻きにこちらを眺める面々を見回した。 「否定しないわ。でもそれが任務でしょ」 「どこまでも愛想無いねえ」 「あなたこそ自重すべきよ。これでも限界寸前だから」 「これは失礼」 瑞鶴は一歩引き下がった。「でも隊長代理として、あんたを見送る義務はあるわ」 このセリフは大真面目である。加賀もそれは分かっていて、表情を緩めた。その瞬間を青葉がシャッターに収める。 すぐに夕張が到着して、工具箱を使って艤装のチェックを始めた。彼女の艤装の中に隠れていた水兵服の妖精も数体出て来て夕張をサポートする。 「すぐに出るわ。このままでごめんなさい」 「良いってもんです。お安い御用ですよ」 笑いながら夕張は工具を艤装の中に突っ込んで弄り始めた。 機関部は足に履いている下駄と船体を組み合わせたような艤装にあり、それを履いたままの応急修理となったので、まるで召使が主人の世話をしているように見えた。 その光景も貴重なのか、青葉があらゆる角度から撮影する。 「まあ…良い教訓にはなったわね」 「え、何が?故障が?」 「ええ。不測の事態は思わぬ所から生じる、という事をね」 「…確かに」 さすがの瑞鶴もそう言われると考え込む表情になる。「あんたの言う通りかもしれない」 「あなたの茶々は想定内だったけど」 「それはどうも」 「褒めてるんじゃないのよ」 「あら、違うの?」 「当たり前でしょ」 その時、ティーポットを持った金剛が手を振った。ポットからは湯気が出ている。 「ヘーイ皆さん!ティータイムに…」 言い終わらないうちに異変が起きた。 最初、太鼓を打ち鳴らした時のような腹に応える低い音と同時に、島が一段落下したように縦に揺れ、ある者はバランスを崩して尻もちをついたり転倒し、ある者はよろめいて隣の艦娘に支えられた。 「え、な、何!?」 尻餅をついたままキョロキョロする瑞鶴。 「Earthquake!?」 あやうくティーポットを守り切った金剛が地震を意味する英単語を叫んだ。 しかし縦揺れはそれっきりとなり、その代わりに今度は垂直に急降下するような感覚に襲われた。 「Whaaaaaaat!?」 「お姉様危ない!」 倒れそうになった金剛を榛名が支えた。 「これは…」 バランスを取ろうと足を踏ん張る加賀は、空の色が目まぐるしく変化するのに気付いた。下から上に向かって、赤や青、緑や紫といった色が、まるでフィルムが巻き上げられていくように変わるのだ。 何が起きているか分からないまま、艦娘達は茫然としてこの怪奇現象を見守るばかりだった。 おしまいには辺りを闇が支配した。お互いの顔を見合わせる事も出来ない程だ。 この間30秒も経っていなかったが、艦娘達には1時間のように感じられた。 彼女達は暗闇で暫く動く事も口を利く事も出来なかった。その場の全員の脳内を占拠していたのは、得体の知れぬ事態に対する混乱で他は何も無かった。 その日、連合艦隊は蜂の巣を突いたような騒ぎとなった。 それもその筈だ。第2拠点の艦娘が、持ち込んだ少しの物資と一緒に何の前触れも無く一人残らず姿を消したのだから。哨戒していた三水戦でさえ気付かなかった程である。 どうやら先の異変は、第2拠点にいた艦娘だけしか知覚していなかったようだが、何故かは知る由も良かった。 深海棲艦の策略かとも疑われたが、原因は一切不明で、赤城はとにかく訓練を中止し、横須賀鎮守府と後詰艦隊の両方に連絡を取った。 最初に口を開いたのは、第二水雷戦隊旗艦の神通だった。川内型軽巡洋艦娘の末っ子だが、艦隊内では彼女が最も長女らしい振る舞いをする事で知られている。 「…現状を報告してください!」 これに、同じ二水戦の駆逐艦陽炎が返事した。 「陽炎、無事です!」 「か、霞、無事よ!」 霞も同じ二水戦のメンバーだ。陽炎は陽炎型、霞は朝潮型である。 誰かが立ち上がる音がした。 「不知火、健在」 「黒潮、多分平気です!」 「多分って何さ?」と、陽炎が右側にいたらしい黒潮にツッコミを入れた。 「霰…無事…です…」 部下の点呼を終えると、神通の声が大きくなる。周りにいる筈の艦娘達の耳に十分聞こえるようにする為だ。 「皆さん!無事ですか!」 一瞬の沈黙があり、返事が次々と上がる。 「熊野、無事ですわ!」 「鈴谷、無事です!」 「はい、榛名は大丈夫です!お姉様は?」 「Don`t worry! I`m OK!」 「青葉、問題ありません!」 「衣笠、損害認められず!」 「こちら加賀。無事だけど、まだ暗くて動けないわね」 「瑞鶴、無事です!」 「夕張、こちらも問題ありません!」 「吹雪、無事です!」 「木曾だ、こっちは全員無事だ!」 そうは言ったものの、矢矧達も返答する。 「矢矧、無事です!」 「初風、無事よ!」 「時津風、平気平気!」 「時雨、無事だよ!」 「春雨、無事です!」 その間、神通が部下達に声を掛ける。 「フラッシュライトを」 「了解」 陽炎が答え、内ポケットに入れていた小型のフラッシュライトを取り出してスイッチを入れた。 他の二水戦メンバーも同じようにしたので、6本の光の筋が闇を切り裂いた。 「ちょ!いきなり人の顔照らさないでよ!」 「ごめんごめん。知らんかったんや」 霞の抗議に、黒潮が慌ててフラッシュライトに手で蓋をした。 「みんなは…?」 霰が後ろに向かってフラッシュライトを向ける。微かだが、金剛と榛名が浮かび上がった。 「何があったのよ?」 同じくフラッシュライトを灯した瑞鶴が、加賀の横に立った。 加賀は瑞鶴の質問には答えず、代わりにこう言った。 「…妙ね」 「何が?」 「波の音が聞こえないわ。それに風も、海鳥の声も」 瑞鶴は、海が広がっている方向に顔を捻った。が、目の前は暗闇で分からない。でも加賀の言う通り、聞こえるのは艦娘達の話し声と、誰かが地面を歩く音だけだ。 この頃には、全員がフラッシュライトを点灯していた。 「お二人さん、ここでシタカ」 加賀と瑞鶴の元にやって来たのは金剛だ。後ろに榛名が従っている。 「金剛さん」 加賀が金剛に体を向けた。 金剛は唸った。 「What`s time?」 「え?」 「何時デスカ?」と、金剛は言い直した。「私のは〇〇〇〇時デス」 加賀は自分の懐中時計をパチンと開いた。 「…同じです」 「瑞鶴も同じよ」 「…それなら夕暮れまでにはまだ時間がアリマスガ…」 金剛は真っ暗闇の空を見上げた。そして気付く。 「星が1つも見えまセンネ…」 「え?」 加賀、瑞鶴、榛名は同時に空を見上げた。金剛の言う通りだった。 「鈴谷、意見具申!」 いつの間にやら熊野と一緒に4人の背後に立っていた鈴谷が敬礼した。「通信を取ってみてはどうでしょう!」 「Oh、失念してマシタ!」 あまりの現象に、基本的な行動が頭から抜けていた…と思ったら、向こう側で神通達が通信を試みていた。 「…さすがは二水戦」 加賀が言った。 「こちら陽炎、聞こえますか!?応答願います、どうぞ!?」 「…駄目みたいですね」 神通が首を横に振った。「でも呼び掛け続けて下さい」 「はい」 陽炎は頷くと、また通信機に向かって呼び掛けを始めた。「第1補給拠点、第1補給拠点、こちら第2補給拠点、送れ!」 無線は間抜けな空電音で返事するばかりだ。 この様子を見て、加賀が金剛に提案する。 「通信出力の大きい戦艦で試してみてはどうかしら?」 「Oh, nice ideaデスネ。榛名、頼みます」 「はい!」 榛名は通信機をオンにした。「榛名より比叡姉様、霧島、聞こえますか!?こちらは榛名、現在第2補給拠点で異常事態が発生しています!聞こえますか!?」 榛名の通信機も空電音しか鳴らない。横で金剛が榛名に角周波数を試してみるよう言い、榛名がそれに従う。 加賀が再び夜空のような上空を見上げた。 「…航空機は無理ね」 「水上機ならどう?」と、瑞鶴が意見を言ったが加賀は唸っただけだった。 「…どのみち動かない方が良いわ。ここで隊を分断させるわけにはいかない」 そこへ神通が歩いて来た。 「隊長代理」と、神通は瑞鶴の事をそう呼んだ。「無線が通じないので全周波数を使って呼び掛けさせています」 「分かった。こっちも榛名にやらせてるわ。今のところ、ここにいるみんなは無事のようね」 「はい。今は離れない方が、得策かと」 「私もそう思うわ。でも、何か手を打たないと」 「同感です」 「照明弾はあったかしら?」と、横から加賀が尋ねた。「それに信号拳銃も」 「…夕張に聞いてみよう」 瑞鶴、加賀、神通は、陽炎の近くに立っていた夕張まで歩いて行った。 「夕張、照明弾と信号拳銃はある?」 瑞鶴の質問を聞いた夕張は、すぐに意図を察した。 「あー、確か2箱あります」 そう言うと夕張は、物資集積所までついて来るよう促した。夕張はフラッシュライトを方々に照らして、ようやく木箱の上に乗っていた黒い小さな箱を見つけた。「あったあった」 夕張がロックを解除して蓋を開けると、はたしてそこには信号拳銃と信号弾、そして取扱説明書が入っていた。 ここにはいないが、陸軍艦娘のあきつ丸が持って行くよう勧めたものだ。 「えーっと、確かこうだったかな…」 夕張はあきつ丸に教えられた通りに、中折れ式の信号拳銃に信号弾を装填し、安全装置を解除した。その後、銃口を空に向かって上げる。「行きますよ、良いですか?」 瑞鶴、加賀、神通は耳を塞いだ。 夕張も左手で左耳を塞ぎ、引き金を引いた。
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37 :香取と。:2015/02/10(火) 17 37 39 ID 7R5H6B3E 香取さんがどストライクだったので。 「練習巡洋艦香取です。心配しないで? 色々と優しく指導させて頂きますから」 トラック泊地への深海棲艦の強襲に対する迎撃をひと通り終え、艦隊にやって来たのは一隻の練習巡洋艦。女教師然とした出で立ちをした彼女はそう言いながら微笑んだ。 「私がこの鎮守府の提督だ。さて、来たばかりで疲れているだろう。今日はしっかり休んで、明日以降に備えてくれ。練習巡洋艦としての活躍、期待しているぞ」 「はい、こちらこそ。それではお言葉に甘えて今日は休ませていただきますね。それでは、明日からよろしくお願いします」 そう言いお辞儀をすると、彼女は執務室を後にした。 さて、こちらは自分の仕事を進めなければいけない。目下、大規模作戦終了後の恒例である報告書作成や、消費した資源の調達のための遠征計画など、執務室の机には文字通り仕事が山積みだ。 仕事に手を付けようとすると、ふと先ほどの香取の笑顔が思い浮かぶ。純粋なそれとは違い、けれども悪意がある訳でもない不思議な感じの―― 「……疲れてるのかな。さっさと仕事は終わらせよう」 雑念、とも呼べるかもしれない感情を抑えこむように呟き目の前の書類に取り掛かる。 結局、書類の山を片付けたのは午後十一時を回った頃だった。 途中、秘書艦に頼んで食堂から軽食をデリバリーしてもらったが、その秘書艦も既に退室してしまっている。 「風呂に、行くか」 鎮守府の浴場は一つ。しかし男女比は提督一人対艦娘数十人なので、男性が使える時間は午後十一時以降からという取り決めだ。十一時を回っていることを確認し、一式の装備を持って浴場へと向かう。 浴場に向かう廊下の途中、大規模作戦直後だからだろうか、鎮守府内は静かで、みな早めに寝てしまったのだろう。 ――慰労会兼歓迎会は明日以降だな。 そんな事を考えながら大浴場の入り口にかかった暖簾を潜る。脱衣所のフロアには棚が並んでおり、矩形に区切られた棚の中には着替えなどをいれる籐籠が収められている。勿論、今は全てが空で…… 「あれ?」 籐籠の一つが埋まっている。その体積からして忘れ物という訳でもなさそうだ。 ――また川内が夜遊びして風呂に遅れたか。 説教の案件を考えながら籐籠をのぞき込むと、そこにあるのは赤を基調とした川内型のものではなく 「香取……?」 白を基調としたジャケットに灰色のワイシャツ。さきほど執務室で話した彼女の物で間違いない。丁寧に折りたたまれたそれに自然と目が惹きつけられてしまい、更にはジャケットの上に置かれた黒いストッキングが目に入ってしまった。 脳裏に浮かぶのは昼間見た彼女の姿。あの不思議な笑みと、豊満な身体に短いスカートから伸びる脚を包んでいたストッング。 本来ならばここで引き返すべきだったのだ。新人である彼女に浴場の使用区分についての情報が行き渡っていないのは仕方なのない事であるし、別に自分とて風呂に入らねば死んでしまう訳でもないのだから。 けれども魔が差した、というのはこういう事なのだろう。ここ数日、大規模作戦とその準備で忙しかったせいかもしれない。 手を伸ばし、籐籠の中からストッングを取ってしまう。おそらくは、彼女がついさきほどまで着用していたであろうものを。 この時点で股間は痛いほどに大きくなり、吐息も荒くなっていた。提督としてあるまじき行為だ。わかっていても、その手は止まらない。 大丈夫。もし彼女が浴場から戻ってきそうになったら気づくはずだ。棚が影になって浴場の大扉からは直接見えないし、そのまま入り口まで行くことも出来る。そう自分に言い聞かせながら恐る恐るストッングを手元に持ってくる。扉を一枚隔てた浴場に彼女がいるというのに。むしろ、その事実が興奮を加速させていた。 棚を背に倒れこむように床に座り、手にしたストッングを顔に近付けると大きく息を吸う。鼻孔に広がるのは甘く、だがとても危険な香り。続けてニ、三度吸い込むと肺の中にその甘美な香りが充満するような感覚と共に、頭がボーっとしてくるのがわかる。気づけば自らの股間に手を伸ばしていた。痛いほどに大きくなりズボンの生地を押し上げるそれを解放するためにチャックに手をかけ、中のモノを取り出し―― 38 :香取と。2:2015/02/10(火) 17 38 50 ID 7R5H6B3E 「あら?」 心臓が止まりそうになった。一瞬動きを止め、錆びついた機械のような動きで首を回すと、そこに香取がいた。 身体にバスタオルを巻いただけの彼女は、籐籠から眼鏡を取り出し、それを着けると私の姿を見ながら微笑んだ。 ――不思議なあの笑みだ。 体中の血液が冷たくなる感覚。たっぷり数秒、現状を眺めてなお彼女はその笑みを崩さない。 「ち、ち……違うんだ!」 咄嗟に言い逃れをしようとしていた。無駄だとわかっているのに。こんな見苦しい真似に対しても彼女はそのままの笑みで語りかける。 「違う? 何が違うのですか、提督」 「そ、それは……」 「とりあえず、それ、返してくれません? そしたらちょっと反対向いていてくださいね」 それ、とは私が手に握っていたストッキングだろう。震えるばかりの私に対して、彼女は両手で私の指を一本一本解いて、ストッキングを取り戻す。そして、何も言えないまま彼女に背を向ける形となる。 すると、トスンという軽い音が聞こえた。おそらくはバスタオルを落とした音。続いて衣擦れの音が連続した。視界は正面の壁に向いてこそいるが、彼女との距離は1メートルもないだろう。先ほどとは打って変わって聴覚が研ぎ澄まされていて、布が擦れ合う音ですら耳にした途端に心臓が跳ね上る。 「いいですよ、こちらを向いて下さい」 振り向くと服を着た香取がいた。髪は濡れたままだが、ネクタイを締めジャケットのボタンを止め、しっかりした格好だ。――勿論、ストッキングも履いている。彼女は見下ろす形で、なおもあの笑みを絶やさない 。 「さて、それでは提督。先ほどは何をしていたか、話して頂けますか?」 「え、……あ、そ……」 喉が乾く。口内の水分が全て失われた感じがして、上手く声が出ない。 「言いたくないのですか? ……なら、私が言ってあげましょうか。提督は、私のストッキングの匂いを嗅いで、オナニーしようとしていたんですよね?」 その言葉に否定出来る事は何一つなく、ゆっくりと頷いてしまう。 すると彼女はまた笑みを浮かべる。 「成る程。これは、少し厳しい躾が必要みたいですね?」 とりあえずここまでです。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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96 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/20(日) 12 17 53 ID QW/cDzFQ 高速修復時の感覚は一種の性的快楽に酷似しており、艦娘の中には一種の中毒に陥るものが存在する。 症状が深刻化したもの中には被弾時の痛覚によって、反射的に高速修復時の快楽がフラッシュバックするものもいるという… 97 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/20(日) 13 22 13 ID kjGdRNpY 駆逐イ級「最近、艦娘っていうんでしたっけ。あの子達、なんか攻撃されて悦んでる気がするんですよね。 はい、ボクだけじゃなくってみんな言ってますよ。何か怪しい薬でも使ってるんじゃないかなって敵ながら心配ですよね。ヲ級さんなんか怖いからって仮病使って出撃休んじゃうし。 はあ、転職先探そうかなあ」 98 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/20(日) 16 24 34 ID XNyxHCmc ???「ひぎぃっ!! もっとぉ……もっとぉ……」 ムチベチィベチィ 提督「おらぁ……まだ足りないか雌豚ぁ!!」 ???に入る艦娘は誰か 108 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2014/07/22(火) 00 53 28 ID GwZIvhnk 綾波「男の落とし方を教えて欲しい?」 敷波「いや、まぁ…男っていうか、司令官なんだけどさ」 綾波「そうですね、では宴会時にを、少し酔ったふりをして後ろから甘えるようにして司令官の首に腕を巻き付けて抱きついて下さい」 敷波「あ、いやまだ夜戦はちょっといきなりは」 綾波改二「そこで肩から肘、肘から手首、首後部にカンヌキのように固めた反対の腕が△を描くようにして 頸動脈をギリギリと締め上げ、ついでに横隔膜をカカトで押さえれば、夜戦を挑む間も無く10秒ほどで落ちます」 敷波「ホント?じゃいきまーす、しゅっつげーき」 111 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2014/07/22(火) 08 13 27 ID 88bNbYqc おはようございます。荒潮よ。 半ば日課となりつつある鎮守府前へ出撃しようとしたら、なぜか西方海域へ行く羽目に……うふふ、なぜかしら。 えっ、司令官? 潜水艦についてオリョールよ。 何でも休もうとしたらしいわ。ある意味贅沢よね。大破して引きこもる宣言したらそのまま放置された艦もいるのに。ええ、大破したままよ。 なのに潜水艦にはどんなに壊れても助けてみせるって、まるで告白よね。 思い出すと少し壊しすぎそうなのだけど、あの艦娘たちあんまり鎮守府にいないのよねぇ…… 帰って来ても、冷凍イカのような目をしているし暴れまくるのはかわいそうかしら。 ほとんど四六時中司令官と一緒というのは羨ましいし妬ましいのだけど。 今夜の素敵な事を楽しみに出撃しましょうか。 荒潮、カレーに出撃よ~ 132 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/23(水) 19 31 49 ID HwgaUYJc 提督「雪風狙いで出たyaggyの平均生存時間は?」 猫吊るし「……2週間?」 提督「もっと短い」 猫吊るし「1週間?」 提督「16分。たったの16分だ」 映画「提督の条件」近日公開(嘘 133 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/23(水) 21 14 56 ID 6zKCST8M [2/3] 夏休みを利用して深雪と俺は友人の提督の勤めているラバウル鎮守府に遊びに来た だけどその時俺はこの後起きる悲しい惨劇をまだ知らなかったんだ 毎日二人ずつ消える駆逐艦娘 いないはずの艦娘を呼ぶ声 金田一少年の事件簿「廃人提督」 謎は全て解けた! 134 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2014/07/23(水) 22 25 09 ID gZyVmXoI 解体、囮、それ以外にも様々な差別が彼女たちを襲った。 艦種差別、後に生きる我々はそんな風に片付けてしまう。 しかし、敵海域真っ只中、そんな場所で仲間であるはずの艦娘に気取られぬよう不用意に咳すら出来ないそんな日々をあなたは想像出来るだろうか。 しかし、希望を失わない者も居た。レディに憧れた姉、頼れる妹、大人しい妹と共に海原で暮らす日常。 そんな彼女たちと交流し終戦まで生き延びた次女が書いたハートフルストーリー。 『ひびきの日記』近日未公開 135 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/23(水) 23 12 57 ID 6zKCST8M [3/3] 言うなれば運命共同体 互いに頼り 互いに庇い合い 互いに助け合う 一人が六人の為に 六人が一人の為に だからこそ戦場で生きられる 艦隊は姉妹 艦隊は家族 嘘を言うなっ! 猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら嗤う 無能 怯懦 虚偽 杜撰 どれ一つ取っても戦場では命取りとなる それらを纏めて無謀で括る 誰が仕組んだ地獄やら 姉妹家族が嗤わせる お前もっ! お前もっ! お前もっ! だからこそ 提督の為に死ねっ! どうしてこんな流れになったのか・・・ 158 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/24(木) 16 13 59 ID 423wSumw 154 加賀「提督。海軍として、艦娘として、私達が守ろうとしているものって何なのでしょうか。 平和。私達が守るべき平和。けどこの国のこの街の平和とは一体何? 戦争への恐怖に基づくなりふり構わぬ平和。正当な代価を余所の国の戦争で支払い、その事から目を逸らし続ける不正義の平和」 提督「そんなきな臭い平和でも、それを守るのが俺達の仕事さ。不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程ましだ」 加賀「あなたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるわ。かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、その口車に乗って酷い目にあった人間のリストで歴史の図書館は一杯だから」 的な感じで赤城が東京を戦争状態にする話とか 196 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/26(土) 11 37 45 ID Oke.KGyM そら、扶桑姉様に諭してもらうしかねーでしょ いつまでも姉に依存してちゃ駄目でしょって しかしながら、扶桑姉様は確実に恋愛脳だから間違いなく拗れそう 後は扶桑姉様と関係持った後に扶桑姉様沈めて、慰め合いとかかなぁ 先に山城様がぶっ壊れそうだけど シスコン組は本人もだけど、姉が提督に甘めなのばっかだから難しいね 197 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/26(土) 11 58 47 ID 1n6kDr/M 196 自分を扶桑お姉様と思い込んだまま、提督に迫る山城とな? 「今夜も愛してください、提督……」 「違う、お前は山城だ、山城なんだ!」 198 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/26(土) 12 39 04 ID wEcPfW1E [1/2] 「扶桑姉様…ああ…扶桑姉様!!」 「扶桑姉様…私は戦う!私は貴女になるのよ!」 「扶桑姉様、貴女はまぶし過ぎました!」 「扶桑姉様…私は…私は…貴女よ!」 「扶桑姉様…私は…ずっとずっと…貴女になりたかった!」 「待っていて扶桑姉様!すぐに貴女のそばに参ります!」 「扶桑姉様…これで貴女に…また会える…」 「フフフ…アハハハハハハハ!扶桑姉様!私は…私はね!貴女になりたかったのよっ!!」 なんか違和感ないような気がせんでもないな まあこれだと扶桑が物凄く男嫌いで提督以外の男は全て消えてもいいとか言いかねんか 253 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/28(月) 19 11 19 ID NYmZr6mE [2/2] 私の名は松本幸四郎、ベスパの士官で階級は大尉 榛名改ニは縞々、縞々パンツです!! そう言っているのは秘書艦の吹雪君、私は風林火山君に進めれるままに棒各くんの改造ボタンにシューーーート ダズル迷彩とは日本語訳で幻惑迷彩だそうだ 幻惑、幻惑?だれを惑わす気なのかね、ハルナス君!!!11! 着底している場合ではないぞ!夕日に向かって大破進撃だ1111!!! そして私は今日も春巻き君を送り出すのだった やっぱKOUSIROUコピペは難しいね、榛名改ニはエロい系じゃなくて儚い系にになった感じ 269 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2014/07/29(火) 19 00 32 ID 2XrRne6k [3/4] くっ誤爆…曙の髪で吊ってくる 270 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/29(火) 19 19 07 ID uxnVi7CI [1/2] 曙の髪でシコる?(難聴 271 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/29(火) 19 23 05 ID mbdfwky6 か、髪の毛で扱けだなんて何考えてんのよクソ提督! 272 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/29(火) 19 29 42 ID 2XrRne6k [4/4] 綾波改二「えっ曙さんもそのために伸ばしてるんじゃないですか?」 273 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/29(火) 19 30 54 ID uxnVi7CI [2/2] 由良「………」 274 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/29(火) 22 16 31 ID t2kBlNFs [3/3] 初等部にあがるころ両親を亡くした俺は軍人でもあった叔父に引き取られ養子ということで鎮守府で一緒に暮らした そこの主力艦娘である扶桑姉様、山城姉さん(様をつけると嫌がるのだ)にはまるで実の弟のように育て可愛がられた この地域では成人を目前に迎えた男子に近親者が筆卸しをするという大昔の風習が残っていたが もうじきその年齡を迎える俺は身寄りも無いし、関係のない話だと思っていた そして迎えた誕生日の夜、蒸せかえるような暑さから何となく寝付けずにいたら 部屋の襖が静かに開き、そこには風呂上がりなのか、ほのかに肌を上気させた浴衣姿の扶桑姉様と山城姉さんの姿が 「山城、大丈夫?砲戦よ」 「姉さまより先でいいのでしょうか…」 とかそんな話で 279 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2014/07/31(木) 00 18 36 ID 8Du39Zyc 「ちょっ! 何触ってんのよ! ぶつわよ叩くわよ!? 妙高お姉さんに言いつけるわよ!?」 「構わん。触らせろ」 陸の上では駆逐艦娘は見た目どうりの力しかない。艤装でも持ち出せば別だが管理はきちんとしている。 そして、重巡は確かに力もあるのだが…… ウチには妙高はいない。 だから触りまくった。ぽかぽかと殴るのが可愛くて、何度も何度も。 思えば油断していたのだ、姉の名を呼ぶ戦艦、姉妹を探す雷巡。彼女たちとは違うと思っていたのだ。 ある日、秘書艦にも関わらす0800を過ぎても現れない初風を訝しみ彼女を探した。 海に向かって呟いていた。 どうして、助けてくれないのか。あの強い妙高お姉さんはどこにいったのかと。 ため息混じりに「この想いサイゴン沖の妙高お姉さんに届いてよ」と言った時にはゾッとした。 だけど、初風を見ていたのは俺だけじゃなかったんだ。 見るに見かねたババ、もとい熟れた、間違えた。とにかく狼が俺の部屋に来た。 セクハラというのがこんなにもおぞましいものだとは思わなかった。とだけ伝えよう。 そして、初風に強がりを言えるなら。 セクハラなんてしないなんて、言わないよ絶対。 308 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/01(金) 01 41 44 ID KM1PaQgA 鎮守府にて深夜に起きた資材の窃盗事件 容疑者としてあげられたなかには犯行日の夜のアリバイ証言のあいまいだった提督、大鳳、祥鳳がおり、憲兵は改めてこの三人から調書を取ることにした。 提督「その夜は自室に居ました」 大鳳「その夜は提督と一緒に居ました」 祥鳳「その夜は提督の下にいました」 「「ふぁっ?!」」 その後犯人は捕まり、提督は3Pしていたことになった。 318 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/02(土) 18 53 30 ID H0x/m4J2 [2/3] 「お前、今週はどこ配置よ」 「俺? 今週はサーモン沖だぜ」 「げ、良いな。滅多に艦娘来ないからゆるゆるじゃん。お前は?」 「……東部オリョール海」 「あっ」「あっ」 深海鎮守府はきっとこんな感じ 323 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/03(日) 03 04 38 ID ah0rxAog [1/4] 声帯が不明なのでテレパシーで意思疎通してるかもしれぬ (……きこえますか… きこえますか… 提督よ… 提督よ… あなた方が深海棲艦と呼ぶ存在です… 今… あなたの…心に…直接… 呼びかけています… 提督…イベントに… 向けて資源はためる…必要ありません… 各資源…二万で…充分…なのです…自然増…ギリギリまで……回すのです…大型建造…するのです…大型建造をするのです……) 姫、鬼は人間由来 女性だけの敵集団はマゾーンの時からのお約束だけどねぇ 456 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2014/08/04(月) 00 39 30 ID XFR4HtZQ 風呂上がり、艶のある黒髪が綺麗な彼女を見ると、ああ今日も終わったのだと感じる。 ここは前線、昨日いた艦娘が一昨日いた提督が骨となりあるいは勲章となり故郷へ帰る場所。 そんな環境に嫌気が差したのはお互い様で抱き合って眠るようになったのはいつからだろうか。 肌を重ね、一つに繋がったこともあるが互いに何か違うと感じ、以来日頃は一糸まとわず抱き合って寝るだけだ。 たまに口付けを交わしたりはするがその程度だ。 私も以前はこうなるとは思っていなかったし、裸の女性を前にしていたさぬのは逆に失礼だとも思っていた。 しかし、今となってはぬくもりさえあれば良いと思ってしまう。 壊れかけの心は性欲さえも抜け落ちているのかもしれない。 彼女とて、まるきり無事とはいかない。たまに私と抱き合っているとき、閉じられた扉に向かってこう言うんだ。 「大井っち、どうしたの」 と。おかしいだろう。大井は既に除籍されて久しいと言うのに。 だから、そんな時は、そんな時だけは私は初雪を抱くと決めている。 縁もゆかりもない大井呼ぶ彼女を見ていられないから。 私と初雪の情事をしるのは甲標的、それだけだ。 それが少しもどかしい。 きっと初雪には白無垢が似合うから。 464 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/05(火) 11 34 46 ID imybRJWU 吹雪ちゃん、私はね あの女が戦いで沈んだと聞いた時、本当に嬉しかったの 奇跡が起きたんだと思って心から神様に感謝したわ え?仲間が沈んだことを奇跡だなんて、ですか?ふふ、何か勘違いしているのね 奇跡って言うのはあの女が沈んだことじゃないの、だって、あの戦いで沈まなかったら私があの女を■していたんですから だから奇跡って言うのはね、結果的に私が手を汚さずに済んだことを言っているのよ これ、本当にナイショなんですからね 吹雪ちゃんだから特別に話したのよ? だからお願い 私からあの人を盗らないでね……? ところで知ってる吹雪ちゃん? 衝突事故で船が沈んでしまう事故もあるのよ 491 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/07(木) 15 33 38 ID TbBzi0RI [2/2] 提督「俺の消化ポンプを飛鷹に入れて君の火を消し止めたい」(ゲス顔) 飛鷹「今、忙しいから夜空いてたらね、何?暇なの?」 飛鷹さんマジキャリアウーマン この戦争が終わったら、飛鷹と飛鳥Ⅱに乗ってサンフランシスコに行くんだ… もう飛鷹みたいな純粋な外洋向け大型貨客船ってないのよね 510 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/09(土) 20 24 51 ID ThCAJG.o すっかりベッドの下キャラが定着しつつあるな祥鳳さんww 511 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/09(土) 20 32 21 ID 3Kpw2ad6 あれはエロこわかった 512 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/09(土) 21 16 54 ID Ypr21Qz. ベッドの下に斧を持った男が居たのを発見した友達が部屋の主をコンビニに行こうと誘って連れ出そうとしたら 主がベッド下の男に「何か買ってくる?」と聞いた 的なジョークコピペを何故か思い出してしまってすまんかった 514 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/09(土) 22 06 32 ID CeY4Mre6 斧男さん、そういうプレイかなんかかよw 祥鳳さんもそういうプレイだった可能性が微レ存……? 515 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/08/09(土) 23 36 20 ID vkHSxAuw 祥鳳「すみません、私もベッドの下に入りたいのですが」 斧男「申し訳ありませんが、早い者勝ちです」 祥鳳「ではもう少し奥に詰めて下さい」 斧男「それならば構いません」 祥鳳「かたじけない」 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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「そんな、こんなことって?!」 「や、ヤバっ! まずいでコレは!」 軽空母2名が悲鳴を上げる。実戦経験がほとんど無い新人たちの実地訓練を兼ね、北方海域の 巡視任務についているこの戦隊。その引率役として提督から指名された二人はそこそこ以上の経 験の持ち主であり、それゆえにこの状況の危険さを理解していた。 彼女たちが放った艦載機による先制第一波。本来ならこの一撃で敵艦隊は半壊だ。個艦として も傷つき、隊列も乱した状態の敵艦隊は経験不足の艦娘たちにとっては絶好の訓練目標。そうし て新人たちの実力の底上げを、という意図で送り込まれたこの戦隊だったのだが……。 送り込んだ艦載機たちは、いったいどうしたことか、ほとんど何の戦果も上げることができな かったのだ。体力の衰えもなく、戦列も乱さず、急速に距離を詰めてくる深海棲艦たち。本来は この海域はかなり精強な敵が潜むエリア。経験不足の駆逐艦娘・軽巡娘たちにどうにか出来るよ うな相手ではない。 「こうなったら……ウチらのせなあかんこと、解っとるな!」 「は、……はい! 私達で少しでも奴らを食い止めましょう」 脆い武装、乙女の柔肌。それでも己の武装の使い方もよく解っていない彼女たちよりはまだマ シ。自分たち二人が蹂躙されるのは覚悟の上、せめて彼女たちを少しでも逃してやらねば。まだ 幼なさを残す軽空母2名の横顔に悲壮な決意が浮かぶ。 敵の先頭艦の、そしてそれに伴って後続艦から放たれる発砲の閃光。次の瞬間、この周囲は硝 煙まみれの水しぶきと爆熱に埋め尽くされる……はずだった。 が。 「どうやら、私の出番のようだな」 着弾の衝撃に耐えようと身を縮めていた二人の視界に飛び込んできたのは、先程まで背後に控 えていた大柄な艦娘。薄い金髪に鋭い視線、大胆に晒した褐色肌が描く優美な曲線美。彼女自身 の大柄さに負けず劣らずの巨大な武装は、彼女が並大抵の艦娘ではないことを視覚的にも否応も なく示している。 「む、武蔵はん?!」 「あなただってまだ、鎮守府に着任したばかりじゃ」 軽空母二人の声を、武蔵は軽く手で制した。 「確かに私はまだこの武装を使いこなせてはいない。しかし、皆が退避するまでの時間稼ぎくら いは出来るつもりだ。なに、私は大和型改良二番艦。こんな巡洋艦クラスの攻撃ですぐにどうに かなるほどヤワには出来ていない」 視線をわずかに緩めて微笑む武蔵。たしかに敵の先ほどの一斉射撃も、彼女はその掌で受け止 めている。 「判ったで、……武蔵はん、ちょっとだけ頼むわ」 「みんなの撤退の準備が整うまで、少しだけお願いします」 「任された」 後方海上で恐慌に怯え竦む艦娘たちをまとめに走り去る軽空母2名。次射の態勢へ移行しよう と綺麗な弧を海面に描く敵艦隊を一瞥し、武蔵は軽く笑った。 あの日に比べればこの程度の攻撃など蚊の一刺しと大差ない。誰一人ここを通しはしない、と。 鎮守府、艦隊司令室。 軽く蝶番を鳴らして扉が開き、出撃から戻ってきた艦娘一同が提督の前に並ぶ。 定数6名。出撃したときの顔ぶれが全員無事に揃っている。 「事情は聞いている。……お疲れさま。みんな、今晩はゆっくり休んでくれ」 そう提督に言われ、ぞろぞろと司令室を出ていく艦娘たち。いや、ちらちらと何か言いたげに 部屋に残る者に目線を送ってはいるのだが。その残った者、すなわち艦娘・武蔵は出ていく彼女 たちに軽く笑顔で手を振った。ぺこりと頭を下げて出ていくのは駆逐艦娘か。 「……で、だ。この武蔵、提督には言いたいことがある」 自分と提督以外の全員が部屋を出ていき、扉が閉められた後で武蔵は切り出した。 「先に聞いておきたいが、今回の作戦、立案したのは誰だ?」 「俺だ」 「こういう編成にしたのは誰だ?」 「……俺だ」 「ふむ。昨日の出撃時は正規空母1、軽空母3の編成に育成艦をつけての出撃だったそうだな。 そのときならば何の問題もなくあの子たちに経験を積ませてやれた、そうだな?」 「……ああ」 「それならそのまま今日の編成も組めばいいものを、入渠許可を出すのを忘れていて怪我した飛 龍をそのまま放置していた。そうだな? 可哀想に、あいつ今朝も痛めた肘を庇っていたぞ」 「……うむ」 「その上に、育成艦枠を一隻ぶん増やすために隼鷹を外した。理由はなんだ? 思いつきか? 『自分が行かなくて大丈夫なのか』と隼鷹の奴が相当心配していたぞ。それでその穴埋めにつぎ こんだのが自分か。戦艦と正規空母の違いくらい知ってる筈だろう、貴様くらいの経験があるの なら。どうだ?」 「……面目ない」 「その戦力不足が招いた危機を、我が身を盾にしてカバーしてやったのは誰だ?」 「……君だ」 「聞こえないな」 「君だ」 「君、じゃない。きちんと名前で呼んでもらおうか、今回の殊勲者の名前だ」 「……武蔵、おかげで助かった」 その言葉に、にんまりと武蔵は笑みを浮かべる。 はじめからそう素直に出ていれば、苛めてやろうなんて思わないのに。内心そう思いつつ。 司令のデスクの端に武蔵はその豊かな腰を降ろす。おしりのラインがデスクの角を包むように 歪むのも、おそらく提督の目からはよく見えることだろう。 す、と、優美な曲線を描くそのしなやかな腕を伸ばす。提督の目の前に手の甲を近づけて。 「治せ」 「え?」 「見えないのか。今日の戦いで、私の手の甲に傷がついた」 確かにそうだ。手の甲に、筋状にわずかに皮が剥けているのが判る。 「しかし、治せと言われても。入渠許可を出せと」 いうなら出すぞ、と言いかけて提督は次の言葉を飲み込んだ。武蔵の目が笑っていない。まだ 付き合いは短いが、こうなったときの彼女は本当に危険だ。 「……提督は知らないのか?」 「何を、だ」 「童話だ」 「どういう、ことだ?」 「お姫さまのバッドステータス解除には王子様のキスと、相場は決まっているだろう」 誰が王子で誰が姫だ、とくに姫が……などという言葉は、むろん口に出せるわけもない。そん なことを口にしたなら入渠するのは自分のほうだ。それくらいは判る。 身をかがめ、武蔵の手の甲に唇を寄せる。 ……触れた。かすかな産毛の感触。なめらかな女の肌。触れた感触に「ぴくり」と彼女が反応 したのも、肌を通して伝わる腱の動きで判る。 「ゆっくり、丁寧にな」 その肌の表面にわずかに刻まれた傷にそって、提督は舌先を這わせる。わずかに視線をあげて 武蔵の表情を伺うと、……目を閉じ、かすかに眉を歪めて。 「次はこちらだ」 武蔵が身を捩る。腕を組み、その豊満な乳房を組んだ腕で持ち上げる。 「こちら……というと?」 「ここだ」 脇腹か。弾片がかすめていった跡か、さらしの合間から覗く褐色の肌に走る浅い傷。 「ここを?」 「そうだ」 その声にかすかに艶がのっていたのを、提督も、武蔵本人も気づいているや否や。 脇腹の肌に、提督は舌を這わせる。 「んっ……、うん、そうだ……っ」 さすがにずっと敏感な部位だ。そこで異性の存在を……そう、艦娘・武蔵にとって既に提督は ひとりの異性になっていた……感じる。敏感な柔肌で、敏感な唇を、舌を感じる。 浅い傷口に提督の舌先が触れるたび、武蔵の身体に走る甘い痺れ。抑えているつもりなのだが それでもかすかに吐息に声が乗ってしまうことまでは止められない。その声音がまるで、女の淫 らな呻き声に聞こえてしまうようで、そんな声をこの刺激で漏らしてしまう自分自身がそもそも 淫らな生き物のようで……。 机についた手、その手がいつの間にか机の天板の端を強く握っていることに武蔵は気づいてい ない。本当はその動作自体、自分の「おんな」を呼び覚まそうとする雄の背中を掻い抱く行為の 代償でしかないことにもまだ気づいてはいない。 いつの間にかずいぶん荒くなった吐息の合間から、武蔵は提督に「もういい」と呼びかける。 「そうか」 そういって立ち上がる提督に、武蔵はデスクから滑り下りて近寄る。提督と合わせた目線は離 さぬままに。猫科動物のようなしなやかさを、その視線から、その肢体から、提督は一瞬感じた のだが、その意識は次の瞬間別の刺激に揺さぶられることになる。 「?!」 第二種軍装の白ズボン。その「前」の上に武蔵の手がある。優美にしなやかににじり寄ってき た動きそのままに男の急所を抑えられ、回避も防御もできなかった。 リンネル地を通して伝わってくる怒張の熱、存在感に、武蔵は満足気に笑みを浮かべていた。 自分だけが色めいているのだとしたら悔しい、提督もその気になっていたのが嬉しかった、そう 後になって気づくのだが、この時点では玩具を見つけた子供のような感覚で笑みがこぼれたにす ぎないと、彼女はそう思っていた。 「あ、おい、こら、やめ」 提督の制止の言葉がろくに育たないうちに、するすると武蔵は提督の「それ」を外気に晒す。 「それ」はズボンから取り出される勢いに乗って激しく屹立していた。艦娘……いや、女の身に はない器官。砲弾のように固く、ボイラーのように熱い。そしてどくどくと脈打つその存在感は、 巨大な艦船をぐいぐいと進ませるタービンよりもはるかに上だ。提督の、否、この男という存在 のいちばん重要な部分が、いま自分の前にさらされている。そう感覚が告げている。 熱に浮かされたような意識の合間合間に、言葉を繋ぐ。 「提督、……厳しいことは言ったが、それでも私も貴様を認めないわけでは、ない」 上目遣いに提督の顔を見上げながら。 「この、『これ』を見れば判る。余計なこともせず、我々が戻るのを心配して待っていたのだろ う? 疲れると尚更激しくなると言うしな」 そう言いつつ、肉柱をゆるゆるとその手で撫でる。 うっ、と上から漏らされた声が、武蔵のなかをくすぐってくる。 「不注意と慢心で我々を危険に晒したのは罰に値する、そして……心配して待っていてくれたの は、立派に褒美に値する」 唇を、肉柱の頂点に寄せる。普段ならあまり嗅ぎたいとは思わない匂いなのに、不思議と武蔵 の胸中には嫌悪感は涌いてこない。 わずかに湿ったその肉柱に、すっと舌を這わせる。「ううっ」と、さっきよりもはっきりと漏 らされる提督の声。 判るぞ、……心地よいのだろう? ビクビクするほどに心地よいのだろう? こうして、貴様のナニの先を私が舐めてやることが。熱い肉の柱を私が撫ぜてやることが。私 の口の中でその先端を含んでやることが。私が提督にしてやることが。心地よいのだろう? 気 持ち良いのだろう? ほら、先を少し強めに吸うと、貴様の腰がびくんと跳ねる。 ほら、柱をせわしくしごいてやると、貴様のこの柱がますます熱くなる。 触れたいのか? 私に触れたいのか? 駄目だぞ、今日はまだ駄目だ。 今日ここで全てを委 ねるほど私は安くはないぞ、でも……貴様が男としての悦びにふるえているのは、それを私が操 っているのは、それはとてもうれしいことで。 そう。貴様を悦ばせるのは、貴様に悦ばされるのは、私だけでいい。 一気に雁首の周りを撫ぜる速度を早める。這い回る舌の動きを高める。 びくん、ビクン、びくん……間欠的に肉柱から伝わってくる痙攣が一気に激しくなって。 その肉柱の先端を、武蔵は綺麗に口中に含む。おとこが果てる、その瞬間を。 「う、ううっ、くっ、う、……出る、いくぞ、うっ」 その提督の言葉と同時に、武蔵の口中に撒き散らされる熱い迸り。 びくん、びくん、と痙攣をつづけながら、そのたびにどくんどくんと肉柱の先端から吐き出さ れる「それ」。匂いも口中の感覚も日頃見慣れるようなモノではないとはいえ。 こくん。 自然に、武蔵は「それ」を喉の奥に押しやった。 愛する男のとまではゆかずとも、自分が吐き出させた精の当然の受け止め方だと彼女は思った。 半分魂が抜けたような顔で呆然と提督は突っ立っている。 「前、いい加減仕舞え。仕置も褒美も終わりだぞ」 「……あ、ぁ、ああ」 「しゃきっとしろ。この後もまだ仕事は残っているのだろう? 私は入渠してくる、後のことは 任せたからな」 軽く提督の肩をたたいて、武蔵は司令官室の扉を出ていった。 その数時間後、船渠からの資材伝票に書き込まれた数字に目を覚まされるまで提督が夢見心地 だったことまでは、詳しくは触れないでおくことにする。
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84 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 05 22.30 ID 1b33W5PM 曙「か、改装とかいって、私の裸が見たいだけなんでしょっ、このクソ提督!」 開口一番に曙は私に食って掛かる。 いつもの光景だが、今日はいつもとは少し違う。 先ほど自前で特別な護符を拵えたのだ。 特殊な術式によって相手の心が読めるというなんとも垂涎モノ・・・もとい、危険な代物である。 しかしやはりと言うべきか、使用条件がかなり限定的で、心を通わせていない者の心はあまりよく聞き取れない。 逆に言うとはっきり聞こえれば聞こえるほどお互いが信頼し合っている証拠となる。 そもそも何故このような護符を作ったかというと、深海棲艦の心を探るためなのだが、試験段階で上記のような致命的な欠点が見つかったために計画は白紙に戻っている。 改良も試みられたが、研究の結果それが不可能であることが分かった。 心のつながりのない者の心うちを知るには、精神破壊が必要だったのだ。 敵の心を知るためにその心を壊しては意味がない。 かといって信頼し合う仲になることは不可能だし、そんな仲になっていたらこんな戦闘は必要ないわけだ。 辛うじて読み取れたことは、「寒い、冷たい」という感情と強い憎しみだけだった。 この護符は凍結という決定がなされたが、当時の研究書は見ていたため呪印などすべて覚えている。 話がだいぶ脱線したが、つまり、いつも突っかかってくる曙は、果たして内心はどうなのか? と気になったという好奇心の元、この護符を発動させるに至ったというわけだ。 きっかけは曙のこの一言だった。 曙「気に入らないなら、外せば?」 そういう彼女の声は震え声だった。 あの時彼女はどんな気持ちだったのだろうか。 彼女に戦力外通知をした覚えはないし、彼女のミスを責めたことも一度もないのだが、知らず知らずに彼女を追い詰めていたのだろうか。 当然史実での彼女の不遇は承知している。 ふと、今の彼女の心が知りたくなった。 そして冒頭のセリフを言った後の声ははっきりとこう聞こえた。 曙「(ありがとってホントはいいたんだけどなぁ・・・)」 提督「ふむ・・・」 まさかここまではっきり聞こえるとは思わなかった。 かつて親に試した時でさえここまではっきりとは聞こえなかったように思う。 提督「そうか・・・。曙の今後の活躍に期待しているぞ。・・・」 曙「ふんっ!」 曙「(うれしい・・・///。絶対活躍してみせるわ!見てなさい!クソ提督♪)」 曙「私に十分感謝しなさい、このクソ提督♪」 曙「(すごいでしょ!?私がんばったよ!この勝利は敬愛する貴方へ捧げるわ!)」 先の作戦でMVPをかっさらった曙は、提督執務室のドアをドカンと開けると 頬を薄らと赤くさせて高らかに宣言した。 瞳はキラキラと輝き、こんなにはつらつとした彼女を見たのは初めてかもしれなかった。 ここ数日彼女と接してみて分かったことがある。 どうやら彼女は俗にいうツンデレのようだ、ということだ。 改修をすればするほど悪態をつくのだが、それは素直になれない彼女の照れ隠しだ。 髪が長くて維持が大変そうなのにずいぶんと綺麗だなと褒めたときなどは セクハラだと怒っていたが、心ではものすごく喜んでいた。 後日、さらに髪の美しさに磨きがかかり、いい香りまでするほどになっていた。 提督「じぃ~(やはり曙の髪は綺麗だなぁ・・・)」 日の光に照らされて艶やかな髪に視線を這わせる。 曙「何よ?こっち見んな!このクソ提督!」 曙「(見られると恥ずかしいのよ、ばかぁっ)」 提督「ふむ・・・」 ムクムクといたずら心が芽生え、曙のそばまで歩み寄る。 曙「何?何か用?」 曙「(近っ、近い近い!)」 そっぽを向いて不貞腐れた態度をとる曙だが、 何処となくソワソワしている。 提督「曙、MVPよくやってくれた。感謝している」なでなで 曙「なっ!?何で触るの!うざいったら!・・・・・・・・もう」 曙「(あ・・・うれしい!ホントはもっと撫でて欲しいけどこれ恥ずっ・・・///)」 さらに追い打ちをかけてみる。 提督「曙の髪はサラサラで心地よいな。心が落ち着くよ」なでなで 曙「し、仕方ないわね。ちょっとだけ・・・よ?」 提督「ありがとな・・・曙」なでなで 思わぬところで素直になった曙が意外だったが、 日頃戦いに出ている彼女を労わる気持ちでさらに撫でる。 曙「///」ムスー 曙「(ちょっとくらい・・・いい・・よね///)」 しばらく撫でていたのだが、居心地が悪いのかモゾモゾしだした曙の 上目づかいな視線と目が合わさる。 曙「あ・・・・」 曙「(提督の顔・・・近い。・・・・キス・・・とか。ね・・)」キュン 提督「・・・」なでなで・・・ぴた 顔を真っ赤にしてこちらを見上げる曙と、そのまっすぐな心の声に ドキっとして撫でる手を止めてしまった。 どうやらこの護符の効果は相手の感情に引っ張られるらしい。 そっと手を曙の頬に添える。 曙「ん・・・・」 目を閉じた曙のまつ毛は、小刻みに震えている。 綺麗なピンク色をした唇はキュッと閉じられ、 まるで侵入者を拒むかのようだ。 彼女の髪からふわっと心地よい香りが鼻をくすぐる。 提督「曙・・・・」 そっと腰に手を回して彼女を抱き寄せる。 少し前にかがんで彼女の唇に吸い寄せられるように顔を・・・。 バーーーン!! 島風「ていとくーーー ー!かけっこしよーーーー?」 曙・提督「!!」 突然やってきた島風に驚いた曙はパチっと目を開ける。 後数センチまでの距離だったため、見つめ合う格好になった。 曙「あ、あ、あ・・・」 どんどん涙目になっていく曙にどうしたものか、突然のことに頭が回らない。 島風「どうしたの?見つめ合っちゃって」 曙「わぁっ」ドン 提督「うわっとと」ぐいーーっ 曙・島風「きゃぁっ」どたんばたん 突然突き飛ばされたためバランスを崩し、咄嗟に伸ばした手で島風と曙を巻き込んで倒れ込んだ。 島風「痛たたた・・・。ていとくひどいよ!もう・・・。あ・・・!」 曙「んん・・ん・・・」 一緒に倒れ込んだ時に、幸か不幸か曙と先ほどの続きをすることとなった。 曙「んん!?んー!んーーっ!!・・・んはっ・・・はぁはぁ」 島風「ごめんね、上に乗っかっちゃってた」 曙「ッッ」 ガバっと起き上がると、曙は一目散に走り去っていってしまった。 提督「曙ッ!待っ・・・」 島風「おぅっ」ドターン 慌てて追いかけようと立ち上がったものの、島風の服のボタンと絡まってしまい島風を押し倒す格好になってしまう。 島風「ん・・・」 提督「・・・!!」 思い切り押し倒して口づけしてしまっていた。 島風「(あ・・・私、てーとくとキス・・・してる・・・)」 島風「んちゅっ・・てーとく・・・んふっ・・・」 島風「(てーとく・・・大好きだよ!)」 ドック帰りとはいえ戦闘後で高揚している島風は、切り替えが早く高まる気持ちを抑えきれずにしがみついてきた。(だいしゅきホールド) 護符の効果により島風の想いも強烈に流れ込んでくる。 さっき倒れた拍子に、右手は島風の胸の上にあり、ささやかながらもやわらかい弾力が指を押し上げてくる。 提督「島風・・・」 やさしく髪を梳いてやり、気持ちを落ち着かせてやる。 島風の目を覗き込み、愛おしむまなざしで語り掛ける。 提督「島風、俺もお前が好きだぞ。」 島風「てーとく・・・・」 すでに赤くなっていた島風の顔が、ポッとさらに赤くなる。 しかしそれは嬉しさ半分悔しさ半分である。 島風「・・・てーとく、ずるーい」 ぶぅ、と膨れる島風は、言葉にせずともこちらの心を読み取っていた。 おでこにキスをして島風から離れる。 島風「ぶーぶー」 島風「(絶対一番好きって言わせて見せるんだから!)」 不服そうな島風だったが内心は幸せいっぱい、残念がちょっとという感じだ。 口づけした唇をなぞり、キスされたおでこを触って見上げながら、にひひっと幸せが漏れていた。 島風「てーとくのことあきらめないんだからねっ!」 そう言い放ち、島風はパッと立ち上がったかと思うとあっという間に走り去ってしまった。 提督「・・・・やれやれ、どうしたものか」 あれはいずれ食われるな・・・(自分が)。覚悟をしておいた方がいいかもしれない。 そう思う提督だった。 島風の過去を視たときからどうも島風に懐かれてしまったのだが、まさかここまでの想いに膨れ上がっていようとは思いもしなかった。 護符がなくとも艦娘たちから好意の視線を感じていたが、やはりと言うべきか、いざ心を見てみるとこれでもかと情愛の念があふれていた。 嫌われていると思っていた曙ですらアレだったのだ。 他の艦も推して知るべし。 この護符について一つ分かったことがある。 心を通わせている者でも相手の心が読めない場合がある。 島風からは好きという感情が強すぎて他の心の声がかき消されていた。 どうやら伝えたいという気持ちが重要であるらしい。 ならば深海棲艦の伝えたかった事とはいったい何だったのだろうか・・・。 寒いといっていた彼女たちは何を想い、願っているのだろう。 彼女たちの魂を救いたいと、切に願わずにはいられなかった。 +後書き 90 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 13 40.56 ID 1b33W5PM 以上です。 ケッコンカッコカリがものすごい重婚状態のためこのような流れににに・・・ いつかの島風の続き物だけど何故か曙の話になった。 そして我が艦隊の曙は遠征組でそれほど活躍してないんだけど キラ付けのたびにつついてたらあの震え声が気になってSSにしてみた。 ちなみに我が鎮守府の秘書官は如月で、大井っちや北上さんなどなど何名か愛人枠にいます。 いずれ登場させたいなぁ
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343 :6-632:2014/02/07(金) 02 09 48.35 ID 3RjczXZM 「どういうことだ、クソじじいども」 俺は激怒した。艦娘の生存率ばかり気にしてまともな戦果が少ない俺の艦に “アレ”の装備を強制執行しようとしているらしい 『あの武器だけは、やっぱり載せないで』 『あぁ、絶対載せないさ。お前の頼みだからな』 恋人の、北上の願いを踏みにじる訳にはいかない。 俺は咄嗟に改装工廠へ走って行った 「やめてよ!やめて!!こんなの載せていいなんて言ってない!」 工廠に着くと北上が絶叫しながら“アレ”の装備を拒んでいる 「提督も、載せないって約束してくれたのに!なんでなのさ!」 どんなに北上が叫ぼうとも聞く耳を持たない工廠担当のクソじじい共 「俺は、北上への“アレ”の搭載は認めていないはずだが?」 工廠担当に問う。まぁ、答えは“予想通り”のものだったが・・・。 「大本営の決定です。少将の御意向は関係ありませぬ。少将が止めよと厳命されましても、大本営の命である以上実行します」 そう良いまるで卑猥な笑みを浮かべると、嫌がる北上に無理やり“アレ”を取り付ける アレを取り付けらたショックからか俺が止められなかったショックからか 北上はただポロポロと涙を流すだけだった。 俺は耐えられなかった だから、護身用の銃で工廠のクソじじいをぶち抜いてしまった。 「守も攻めるも黒鐡の浮かべる城ぞ頼みなる・・・」 ここに来てから何日立つのだろう。俺は何回“行進曲 軍艦”を口ずさんだんだろう あの日、工廠のじじいをぶち抜いたその後、憲兵にひっ捕らえられ、投獄された 当たり前と言えば当たり前の事ではあるのであるが 俺が投獄されてから、ずっと北上は俺の牢の前から動こうとしない 「北上・・・。いいかげん新しい司令の命令を聞いて出撃しろ。出ないとお前も」 俺は北上を諭す。新しい司令の命令無視を繰り返し俺の牢の前にずっといる いくら艦娘とて、命令無視と敵前逃亡で軍法会議にかけられれば処刑は避けられるであろう それは嫌だ。絶対に北上には生きていてほしい。 「アタシ、提督の命令じゃないと戦場に出たくない。新しい提督の命令無視して牢屋にいれられるなら、それで良い」 不安なのか、寂しいのか、それともこの牢が寒いからなのか北上が震えている 俺は毛布を手を出すのがやっとの大きさの鉄格子から北上に手渡した 「ありがとね、寒かったんだ・・・。でも寒いだけじゃないよ?」 北上の目にどんどん涙が浮かんでくる 「好きなのに、大好きなのに提督と手もつなげない、キスもできない、エッチだって」 北上が絞り出すように言う 「俺だって・・・」 そう言い、鉄格子から手を出し指を絡める。 「ほら、手ぐらいつなげるだろ?だから」 北上は力なくうなづいた。 そして、俺の牢の前から姿を消した 北上は毎日俺の牢まで来て色々な話をしてくれる 新しい提督は、艦娘の生存率よりも戦果を優先して皆嫌っていること 第六駆逐隊が疲弊していても、中破レベルの怪我をしていても進撃させること 北上いわく、新しい提督は駆逐艦は消耗品としてしか見ていないかもとの事 そして、そんな姿をみて心配してしまうからウザイとのことだった そんなたわいない会話をしているときだった 「ねぇ、提督・・・。シたい」 突然北上が行ってきた。 「あのさ、エッチはできなくてもこの鉄格子の大きさなら口ではできるでしょ」 そう言い、指を絡めてきた。 俺も投獄されてから満足にオナニーすらできず、かなり溜まっていた 俺は反り返った性器を鉄格子から北上に向けて突き出した 北上の口が俺のペニスを飲んでいく 亀頭を丁寧になめまわし、裏筋を刺激するように咥えながら舌を使ってくる 口内の温度と絶妙な舌技で、溜まりにたまった俺はあっけなく北上の口内へ 大量に射精してしまった。 「提督・・・。ごめんね」 そういうと、北上は突然下半身を露出させ果ててもなお大きさを保つ俺のペニスを 自分の性器にあてがった。 「アタシも欲しいよ。提督の、だから」 そう言いつつ、北上の性器は俺のペニスを飲み込んでいく。 しかし、鉄格子のせいで奥まで、根元まで入れることはできない。 sれでも俺は北上を満足させたい一心で、気持ちよくなりたい一心で小刻みに腰を動かした 牢獄に似合わない水音と北上の甘い声 「提督・・。奥まで欲しい、無理なのは解ってる。でも奥まで」 「ごめん、俺も北上の奥まで入れたい。もっと深く愛したいでも」 北上と俺の間をふさぐ鉄格子が憎い そんな状態でも「大好きだよ提督」と何回も何十回も言ってくれる北上に愛しさを感じつつ 二回目の射精を迎えようとしていた 「北上、俺」 「うん、提督のちょうだい、アタシも一緒に」 その言葉を聞き北上の中に今まで以上に射精した。 行為を終え服を整えた後に普通の恋人同士ならキスをするのが定番だろうが 鉄格子が有るがゆえに、互いの指を絡ませた 北上と数日振りに交わった夜の事だった 『司令官・・・。もっと私を頼ってくれてもいいのよ』 「ん?なんだ雷まで来てくれたのか」 『そんなんじゃ、ダメよ!』 「まぁ、俺がやったことだしな。良くて一生このまま、悪くても銃殺だろ?」 たわいない会話に思えた。唯一違和感を感じた所は・・・・。 会話していたはずの雷が帰る時に、光に包まれながら消えて行ったことだ 嫌な予感はしていた 次の日、俺の牢の前に現れた北上の表情はいつもにまして硬かった 「あの、新しい提督さやっぱり駆逐艦の事何とも思ってないんだよね」 第一声がそれだった 「雷が沈んだのか?」 北上は驚いた表情でなぜ知っているのかと尋ねた 「実はあの後な、雷が俺の牢まで来てな。最後に歩いて帰らずにスーっと消えちまったんだ」 夢枕に立ったと表現しても良いだろう。 北上情報によれは、俺の代わりの提督は功を焦るばかり、複数の駆逐艦の傷を放置 そのまま進撃させそのまま沈めたそうだ それに金剛姉妹、加賀、北上をはじめとする軽巡・雷巡が不信感と怒りを露わにしていると の事だった。 無論命令違反も そこがターニングポイントになってしまった 翌々日俺の軍法会議 裁判は5分もかからず俺の死刑が確定した その日がやってきてしまった 俺は目に白布を掛けられ、椅子に座らされ、手足を縛られている 海軍ご自慢の銃殺刑という訳だ 執行役が到着するが様子がおかしい 「アタシがなんで提督を殺さなきゃいけないのさ!」 軍上層部は“命令違反・軍規違反”を繰り返す元俺の艦娘達への見せしめのためにも 北上を執行人に指名したのだ どこまで腐敗してやがるのか底が見えない状態だ 「北上!俺の最期の命令だ!この命令に従え!絶対だ」 俺は声を張り上げた、 北上の声にならない叫び、これが最期に聞いた「音」だった *************************************************************** アタシは恋人を殺した。 もう何もかもわからない どうして“アレ”を載せておけばよかったの? 何でアタシなの? もう嫌、なんでアタシばっかり ********************************************************** アタシはろくに入渠もせずにこの作戦に従事している 大好きだった人の後任の提督はまさにクソ提督と言う奴で本当にウザイ アタシは満身創痍。もう2・3発食らったら沈みそう いや、本当は沈みたいから入渠していなんだ。 秘密裡にイムヤにお願いしてあるんだ。アタシが沈んだら取り合えず陸まで運んでって 木曾にお願いしてあるんだイムヤがアタシを陸に上げたらあの人と一緒のところに埋めて欲しいって 「帰投せよ、帰投せよ」 何か聞こえたけど、気にしない。さて前進しますか あ、ヤバいフラグシップの戦艦が居る。 直撃コースだこれ・・・・。 ねぇ、あっちの世界でも会えるよね・・・。アタシの大好きな提督 **************************************************************** 木曾は死者を冒涜するのは嫌いだがと前置きをしつつ、 元上司である提督の墓を掘り起こした。もう既に数か月が経過しており 亡骸は骨だけになってしまっているが、その骨に寄り添うように北上を安置した 最期の手向けと言わんばかりに、冷たくなった北上の手をそっと骨の上に置いた 見間違えかもしれないが、一瞬北上が微笑んだように見えた “あの世”で二人が再会し、仲睦まじく永遠の愛を誓えることを祈り 土をかぶせた +後書き 348 :6-632:2014/02/07(金) 03 12 30.55 ID 3RjczXZM 以上胸糞悪い作品おわり ちなみに、雷の描写は実際に駆逐艦雷が轟沈した夜工藤艦長の元に 部下だった乗組員が枕元に立ち、艦長!艦長!と言いながら消えて行った話を ベースにしてみました 次は誰か孕ませるかまたシリアス系にするか思考中です 349 :名無しさん@ピンキー:2014/02/07(金) 03 15 07.90 ID BUVFWGbX 343 北上がアレのせたくないのは命の重さを知ってるからなのに 提督があっさりと殺しちゃだめだよね 案の定BADENDまっしぐら・・・ もしその状況で最善の手があったとしたら 後任が酷い作戦実行するような息のかかった奴が送られてくるの予想できるんだし 提督は退任させられないように適度に戦果挙げつつ 最小限の犠牲になるようにするしかなさそうだな たとえ最小限とはいえ犠牲を出す作戦で艦娘たちに嫌われたとしても 自分も紳士スレに北上にアレ強引に乗せる小ネタ書いたんだが結末が違いすぎてびっくりしたw